ロードテスト アストン マーティンDBSスーパーレジェーラ ★★★★★★★★★★

公開 : 2018.12.16 10:10  更新 : 2018.12.25 16:58

アストン マーティン・ヴァンキッシュの後継モデルとなるのが、DBSスーパーレジェーラ。スーパー・グランドツアラーとして、またアストン マーティンの次の100年に向けて、順風満帆なスタートを切るモデルとなっているのかどうか、じっくり検証してみましょう。

もくじ

はじめに
意匠と技術 ★★★★★★★★★★
内装 ★★★★★★★★★☆
走り ★★★★★★★★★★
使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
乗り味 ★★★★★★★★★★
購入と維持 ★★★★★★★★★☆
スペック
結論 ★★★★★★★★★★

はじめに

唐突だが、自動車市場には、あるひとつのギャップが存在している。小さくてニッチな市場の中でのことながら、自動車全体にとっては意味深いものだ。そのギャップは、大きなボディサイズにフロントエンジン・レイアウトを持つ、スーバー・グランドツアラーと呼ばれるカテゴリーに内在する。

熱心なAUTOCARの読者なら、そのギャップとはフェラーリのモデル、特に812スーパーファストに関係していると想像できるだろう。812スーパーファストは、大陸間を移動するGTではなく、スーパーカーに属するクルマだったのだと、われわれは判断をくだした。812スーパーファストは、トラディショナルなスーパー・グランドツアラーとするには、余りにも圧倒的なパフォーマンスを持っていたのだ。今年の夏にロードテストで評価した時は、その完成度の高さから最高の評価も獲得しているのだけれど。

そして、そのギャップを超えないスーパー・グランドツアラーとして、アストン マーティンが最高の評価を得る機会が巡ってきた。今回、ロードテストに挑むのは、アストン マーティンDBSスーパーレジェーラ。この高貴なクルマは、開発段階で理想として描くものをすべて備えたような中身となっている。

このカテゴリーのクルマは、街なかでお目にかかる機会も限られている。しかし、極めてエキゾチックな出で立ちで、エンスージャストにとっては垂涎の的でもあり、モータースポーツとの深い血統のつながりも兼ね備えている。佇まいから優雅な気品を感じられるかどうかは、主観的な部分もあるだろうが、スーパーレジェーラの場合は、誰が見ても強く感じ取れるはず。フロントに搭載されるV型12気筒エンジンは、これまでアストン マーティンが製造してきたクルマの中で、最もパワフルなユニットとなる。

ダイナミクス性能のプロであるマット・ベッカーが、アストン マーティンの本社が位置するゲイドンに開発担当者として現れた時、彼の溢れる才能が、すべてのモデルに降り注げられることは明確だった。英国でも最も名の知れた自動車メーカーにとっては、興味深い変化の時だったに違いない。当時は、株式会社として現在の姿に落ち着きつつあった時期でもあった。サウスウェールズに新工場を立ち上げ、われわれの及び知れないところで、様々なコンポーネンツの開発・評価を始めた頃だ。

しかし今回は、最も重要な1台のクルマに注目することができる。DBSスーパーレジェーラは、フラッグシップとしての価値があるのだろうか。そして、古いヴァンキッシュでは得ることができなかった、スーパー・グランドツアラーの道標となりえる存在なのだろうか。

しっかり見ていこう。

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

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