三菱デリカD:5新型に試乗 変更点は外観のみならず 走破性/一般道で検証
公開 : 2018.12.18 10:10 更新 : 2021.09.11 00:20
フロントマスクが何かと話題になりやすい新型三菱デリアD:5に試乗しました。AUTOCARが気にしているのはルックスよりも、「どこが先代から変わったのか?」また「それらがオンロード/オフロードでどのように効果をもたらしているか」のみです。
もくじ
どんなクルマ?
ー 新型デリカD:5 変更点
どんな感じ?
ー 「ごめんなさい。舐めてました」
ー オンロードを走らせた印象
「買い」か?
ー 有力候補に加えるべき一車
スペック
ー 三菱デリカD:5のスペック
どんなクルマ?
新型デリカD:5 変更点
骨格設計及びシャシー周りの基本設計は従来車を踏襲している。大胆なイメージチェンジを行ったフロントマスクのせいもあってフルモデルチェンジかと思ってしまうが、正式にはビッグマイナーチェンジの範疇である。
と記せば三文安く見積もってしまいそうだが、それは偏見以外の何物でもない。下手なFMC以上の進化を遂げている。
デリカと言えばラフロード対応した4WDモデルが看板。他のワンボックス型ミニバンの4WD車は降雪地域向け実用車としての設定だが、デリカのそれはワンボックス型SUVとも言いたくなるようなコンセプトと設計を採用している。
このMCのひとつの注目点はラフロード性能であり、ゴージャスな上級ワンボックス型を思わせるフロントマスクを見れば、泥臭い用途は捨ててしまったのでは危惧も覚える。しかも、最低地上高は従来車から25mmダウンの185mmとなった。
しかし、サスペンション関連の寸法設定は従来車を踏襲し、エンジンオイルパンの高さでも従来車とほぼ同じ。最低地上高減少の主要因はアンダーガード(カバー)の厚みが増したため。アンダーガードは繊維を挟み込んだ強化型となり、接触時のダメージ軽減が図られた。つまり、悪路走行時のトラブル減少のための設計なのである。
もうひとつ先代からの変化は全車ディーゼルの4WD車となったことだ。ガソリン車や2WD車が設定されなければ価格帯下限が上昇してしまう。この辺りは従来車の販売動向や三菱の得意技を考えればすぐに納得できる。
なお、エンジン型式は従来車と同じ「4N14」だが、排ガス浄化システムに尿素SCRを採用し、高性能化と燃費の改善を図った新型となった。合わせてATを6速型から8速型に変更。パワートレイン全般を俯瞰すれば新開発と呼ぶのが相応だろう。
その他の大きな変更点は先進安全/運転支援装備を大幅向上。全車速型ACCやBSW、RCTAなどを採用した。
新型になって追い付いた程度でしかないのだが、デリカD:5にとって致命傷レベルのウイークポイントだっただけに先進安全/運転支援装備の拡充は新型車の大きな見所のひとつである。