試乗 フェラーリ・ポルトフィーノ 600ps クイック過ぎるグランドツアラー
公開 : 2019.01.25 10:10 更新 : 2021.09.26 17:00
カリフォルニアにかわる新しいエントリーモデル「ポルトフィーノ」が英国に上陸しました。600psを備えつつ、毎日乗れるフェラーリとして実用性は最も優れているといえますが、クルマの性格付けとしては、ややどっち付かずの側面もあるようです。
もくじ
どんなクルマ?
ー フェラーリのエントリーモデルとして
ー よりシャープに、クイックに
どんな感じ?
ー 入門モデルでも0-100km/hは3.5秒
ー 毎日乗れるフェラーリ
ー 驚異的なエンジンのレスポンス
ー 日常使いにはクイック過ぎる
「買い」か?
ー グランドツアラーになりきれない
スペック
ー フェラーリ・ポルトフィーノのスペック
どんなクルマ?
フェラーリのエントリーモデルとして
あえて初めに言ってしまうと、もし読者が既にフェラーリのオーナーなら、ポルトフィーノは選ばないほうが良いだろう。フェラーリという孤高のブランドに対しての純粋な意見だ。
フェラーリ・カリフォルニアを購入したひとで、格上のフェラーリのモデルにその後買い替えた割合は、わずか30%に留まっている。残りの70%は、メルセデス・ベンツやベントレー、アストン マーティンへと流れているのだ。ミドシップのフェーラリF430スパイダーより実用性が高く、それでいてV型12気筒を搭載した599GTBと価格は大きく違わない、ライバルモデルへと。もちろん、カリフォルニアは黄色い盾のエンブレムが付いた、本物のフェラーリではあった。
2014年にアップデートされ、大ヒットとなったのがターボチャージャーを搭載したカリフォルニアT。フェラーリの長い歴史の中で最も数多く売れたモデルとなり、フェラーリ・オーナーは倍増することになった。カリフォルニアの登場で、新しい顧客を獲得することはできても、惹きつけてやまないほどのドライバーズカーではなかったからだろう。どこか柔らかすぎ、しかも良くでき過ぎていたのかもしれない。