初試乗 ポールスター1プロトタイプ 4気筒+ツインチャージャー+ツインモーター 608ps
公開 : 2019.07.10 10:10
主に電気の力で動き、ツインチャージャーで武装したガソリンエンジンがアシストするポールスター1。極めて複雑な内容を持ちながら、楽しさに溢れたラグジュアリークーペが誕生しそうです。プロトタイプをスウェーデン・ヨーテボリで評価しました。
もくじ
どんなクルマ?
ー ガソリンエンジンにツインチャージャーのプラグインハイブリッド
ー 生産予定台数は1500台
ー スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ(SPA)を採用
どんな感じ?
ー ライバルが少なくないラグジュアリー・クーペのカテゴリー
ー コンチネンタルGTレベルで突進も可能
ー 意外なほどに運転が楽しい
「買い」か?
ー プロトタイプですら相当に興味深い
スペック
ー ポールスター1プロトタイプのスペック
どんなクルマ?
ガソリンエンジンにツインチャージャーのプラグインハイブリッド
読者はすべてのクルマに訪れるであろう、電動化をどの様に受け止めているだろうか。少し心配している向きには朗報がある。608psを発生させるプラグイン・ハイブリッドを搭載したポールスター1という存在だ。2.0ℓの4気筒ガソリンエンジンは、スーパーチャージャーとターボチャージャーによって過給され、さらにスタータージェネレーターを備える。
2基の電動モーターを搭載し、シャシーはスチールとカーボンファイバーとが適材適所で用いられている。大きなボンネットはカーボンファイバー製。リアには新開発のリーフスプリングが横置きされている。ラグジュアリーなクーペボディをまとい、価格は13万9000ポンド(1890万円)なり。
ラグジュアリーではあるが、ボンネットを開けたり、リアタイヤの後ろを調べたり、ジャッキアップしたりして隅々まで観察する必要がある。オーリンズ製のダンパーは22段階の調整式。困惑するほど新しい、ポールスター1を歓迎しよう。かつてBMW i8が興味深く受け止められている時代があったが、2019年の今は間違いなくこのポールスター1だ。
成り立ち自体からして面白い。そもそもポールスターはメーカーとは独立した、ボルボのクルマを使用したレースチームでありチューニングメーカーだった。後にボルボによって買収され、他のメーカーがそうするように、ボルボの高性能モデルに与えられるブランドとなった。そして現在は、独立した高性能な電動化モデルブランドであり、ボルボと中国のジーリーホールディングによって所有されている。ジーリーホールディングは中国の複合企業、いわゆるコングロマリットであり、ボルボを所有する会社でもある。