ヒストリック・ラリー「シルブレッタ・クラシック」へ挑戦 W113 メルセデス・ベンツ230SL
公開 : 2019.07.27 07:50 更新 : 2020.12.08 10:40
アルプス山脈の麓、オーストリア・モンタフォンで1998年から開催されている「シルブレッタ・クラシック」は今回で21回目。1963年の「マラソン・デ・ラ・ルート」で優勝したメルセデス・ベンツSL「パゴダ」を復刻したクルマに乗り、3日間のラリーイベントに挑戦しました。
もくじ
ー 21回目となる「シルブレッタ・クラシック・ラリー・モンタフォン」
ー オーストリアの最西部のアルプスを走り回る
ー 1963年「マラソン・デ・ラ・ルート」230SLラリーを復刻
ー 正確ではないスピードメーターでSSに挑む
ー 迫るリヒテンシュタインとスイスとの国境
ー 先行する1955年式300SLガルウイング
ー 寛大な気持ちがなければ辛いほどにハード
21回目となる「シルブレッタ・クラシック・ラリー・モンタフォン」
木曜日。少し混乱状態の中にいた僕。山中を飛ばして走っていたが、実は今回出走したラリーのスタートに間に合うか瀬戸際だった。21回目となる「シルブレッタ・クラシック・ラリー・モンタフォン」は、オーストリアのリゾート地、パーテネンをスタート会場に開かれる。いたるところにクラシックカーと観戦者がいる。この地域ではシルブレッタはかなり大きなイベントだが、山を下れば関心を寄せないひとも少なくない。
すでに20年を経過したイベントになったシルブレッタ・クラシックは、風光明媚と呼ぶにふさわしいアルプスの山岳地帯を駆け抜けるラリーイベンドだ。ドライバーは、決められた時間内に決められた距離を走行する必要がある。制限時間を守れないとペナルティを受けるが、ちょっと卑怯なタイムコントロールは秘密の裏技。利用できるのはアナログのストップウォッチのみ。
参加車両は200台以上にのぼる。アルプスの高山地帯を650kmほどに渡って走らなければならない。2018年、メルセデス・ベンツ・クラシック部門は、シュツットガルトに保管されているコレクションの中から8台を選び、レーシングドライバーやジャーナリストを招いた。
ドイツのレーシングドライバー、ヨッヘン・マスは1928年式の720 SSK。オーストリアのレーシングドライバー、カール・ヴェンドリンガーは1955年式の190SLレンスポルト。そしてファッションデザイナーのマグナス・ウォーカーは1955年式の300SLガルウイング。ポルシェ911のエンスージャストで知られる彼だが、メルセデス・ベンツにも興味を持ってもらいたいのかもしれない。
ヨッヘン・マスはすでに2・3回は出場していると話す。「イベントはどれも、運営スタッフや参加者によって内容が決まります。それが重要です。山々は壮観ですし、ルートもクルマも素晴らしい。しかし、ひとが肝心。もし良いグループに加わっているなら、イベント自体も楽しめます。そしてメルセデス・ベンツはいつも素晴らしい参加者を集めてくれるんです」