長期テスト アウディTT RS(最終回) 日常で光る魅力
公開 : 2019.07.31 20:25
TT RSのテストも最終回。高速域でも安定性は抜群で、手頃なサイズ、ゴルフ譲りの操作系など、スポーツカーと言うよりも実用性が際立つクルマでした。独特の5気筒エンジンとミッションの組み合わせは絶妙ですが、足回りは少々固すぎたようです
もくじ
ー 積算1万5963km 3つの強み
ー ゴルフのような扱いやすさと手頃なサイズ感
ー 独特の5気筒エンジン あまりにも安定志向
ー 日常生活にぴったり アウディらしいモデル
ー テスト車について
ー テストデータ
積算1万5963km 3つの強み
TT RSは2017年11月に登場した。キャビンの仕立ての良さ、サウンドの良さ、途方もない速さと、明らかな強みを3つも備え、さらにいくつかの魅力をも持ち合わせているマシンだ。
振り返ってみると、例えばTT RSは望外な実用性でも際立っていた。実用性という言葉はオープンや2ドアカーを除けば、現代のクルマに対しあまりにも多く用いられている言葉だが、これは2ドアクーペのTTを語る上でも必ず触れられる。というのも、スポーツカーならハッチバックスタイルでも、一体いつ、どこでなら乗ることができるのかという偏見を多くの人から持たれているからだ。
そしてこのクルマはテスト内で、これらの偏見を見事打ち破ってきた。自転車をトランクに乗せたり、空港で2人をピックアップしたり、荒れた道に連れ出したりといったことが出来てしまったのだ。それに、幾度となく通勤や買い物に使ったが、結局一度も修理するようなことはなかった。
これは5万ポンド(728万円)の最上級モデルに求めるには低すぎるハードルと思えるかもしれない。しかし実際のところ、2ドアで、気持ち程度の後席しかなく、足下は固められ、大径ホイールを履いて、燃費も悪い類のクルマにとって、これは驚くほど厳しいハードルなのだ。