ロードテスト ジャガーFペースSVR ★★★★★★★★★☆
公開 : 2019.08.03 11:50 更新 : 2019.08.09 16:51
アルファやAMGがホットすぎるSUVをリリースする中、満を持して登場したジャガーFペースの最強モデル。どれだけシャープで辛口に仕上がっているかと身構えましたが、実際にはSUVの美点を失わない、円熟味ある傑作でした。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術 ★★★★★★★★★☆
ー内装 ★★★★★★★★☆☆
ー走り ★★★★★★★★★☆
ー使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
ー操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆
ー快適性/静粛性 ★★★★★★★★☆☆
ー購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
ースペック
ー結論 ★★★★★★★★★☆
はじめに
長年にわたり、ハンドリングに優れたサルーンとスポーツカーで世に知られてきたメーカーにとって、SUVの投入は大胆な決断といえる。ジャガーにとってのFペースがまさにそれだ。確立された名声通りに甘んじていれば、背が高く重いSUVを追加する以上のリスクを負うことはなく、このようなクルマを量産に移す見通しとなった際には、首脳陣は眠れぬ夜を過ごしたことだろう。とはいえ、その時点で誰も将来を予見できなかったとしても、この動きは必然で、非常に実り多いものと思われた。
Fペースは今や、このクラスでハンドリングがよくドライビングに熱中できるSUVに数えられるだけでなく、ジャガーの稼ぎ頭にもなっている。2017-18会計年度を通して、グローバルなセールスの42%を占めているのだ。弟分のEペースが2017年末に発売されたが、2018-19年にもジャガーの最多販売の座は譲っていない。
そうした背景を受けて、FペースSVRが登場したことは合理的な流れだと思える。ジャガーは、走りを楽しめて印象的なSUVを造り上げ、さらにはそれを売ることができるとわかった。そして今、スペシャルヴィークルオペレーションが手がけるバージョンは、その走りや印象を比類なきものとしたSUVをジャガーが生み出せるのかを明らかにしようという試みだ。しかしながら同時に、日常使いの利便性を保つことが、成功する上では欠かせない。以前にロードテストに供したアルファロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオでは、そのことを思い知らされた。
詳細不明な「部品供給の問題」が発生していなかったならば、このロードテストはもっと早く実施できていたはずだ。当初の発売予定より1年近く遅くなったが、ようやくFペースSVRの実力を試す機会が巡ってきた。待たされた甲斐のある出来栄えなのだろうか。