2シリーズもFF化 2020年 BMW 2シリーズ・グランクーペ・プロトタイプ 試乗
公開 : 2019.08.07 10:10
前輪駆動となるBMW 2シリーズの、開発初期となるプロトタイプに試乗する機会を得ました。BMW製スポーツサルーンに期待する特徴は備えていいないとはいえ、前輪駆動のネガティブをカバーし、期待できる内容となっているようです。
もくじ
ー 後輪駆動が購入動機にならない小型のBMW
ー FFのアンダーステアを見事に回避
ー スポーツサルーンとして充分に期待
後輪駆動が購入動機にならない小型のBMW
BMWは新しい2シリーズ・グランクーペを開発するに当たり、避けられないジレンマを克服しようとしている。良質なハンドリングを犠牲にせず、充分な乗員空間とラゲッジスペースを確保するという命題だ。このクルマを見るとBMWのエンジニアは、ダイナミクス性能をいかに保つかを優先的に進めたようだ。冬場にタイヤチェーンを巻くとしたら前輪には変わりはないが、技術的にはアンダーステアを解消できているようだった。
新しいグランクーペは、3世代目の1シリーズなどと共通のFAARプラットフォームを採用する。これにより、後輪駆動の2シリーズと比較して後部座席の座面部分の前後長を34mm延長。ラゲッジスペースは450ℓを確保することができている。
車内空間は充分に大きくなったとしても、前輪駆動のBMW製スポーツサルーンという点では、異論も少なくないだろう。古くからのBMW信者の中には、ミュンヘンはブランドらしい運転感覚を捨ててしまったと感じるひともいるかもしれない。しかしBMWは、2シリーズのターゲット層は、さほど駆動輪を気にしていないと考えている。
「通常のお客様は、前輪駆動か後輪駆動かを重要視していません。しかも1シリーズの場合、80%のユーザーは150ps以下のエンジンを選んでいます。前輪駆動の小馬力モデルに対する販売ボリュームは大きいのです。BMWを欲しがるお客様の中で、必ずしも後輪駆動かどうかが購入動機というわけではないのです」 とシャシーエンジニアのヨハネス・キュベルガーは説明する。