長期テスト スズキ・スイフト・スポーツ(2) キャラもカラーも親しみやすい

公開 : 2019.08.11 16:50

英国でもビビットなボディカラーが気になるようですが、案外すぐに慣れるのだとか。ドライブモードは変更できませんが、シンプルにベストを狙ったセッティングは快活で、通勤にも使えるフレンドリーさ。カラーもキャラも案外親しみやすいモデルです。

積算3906km 航続距離も満足

スイフトスポーツの燃料タンクは標準モデルと同じく37Lだが、より小さく感じられる。標準モデルはマイルドハイブリッドを搭載しているが、スイフトスポーツの1.4Lターボだとガソリンを入れる頻度はより多い。

そうはいっても航続距離は480kmほどで、不満はない。

積算3996km 案外すぐに慣れるチャンピオンイエロー

当然だが、この手のホットハッチで重要なのは走りや乗り心地、エンジンのフィーリングだ。しかし、われわれのスイフトスポーツを見かけた人の多くがまず触れるのがボディカラーという非常に表層的なことだ。世間の需要に従って、この点から始めよう。

われわれが選んだのはチャンピオンイエロー。しかし、実際には「ブライト」「ビビット」「独特な」「残酷な」「すごい」など、様々な表現をしたくなる。AUTOCARのグループ企業が共同で使用する立体駐車場で先日出くわした女性からは、わたしがこのクルマを購入したのではないと知って安心したと言われた。曰く、このカラーを選択する人などいないと思っていたらしい。

このクルマを検討しているときは、チャンピオンイエローを選択しようとは考えていなかった。生まれつき目立ちたがりでもきらびやかな人間でもなく、より鮮明ではないカラーのうちのひとつに心を決めていた。しかし実際にイエローを購入してみると、かなり気に入っている自分がいる。

キャラに合った、真面目すぎず快活なカラー

駐車場でクルマを見つける時間が劇的に短くなった。飛行機の到着が遅れて深夜12時を回った日、疲れがたまっていたのか、どこにクルマを停めたのか忘れてしまったのだが、ヒースロー空港の広大な駐車場でもすぐに見つけることができた。

それに、交差点でさも見落としたように割り込んでくるクルマも少なくなった。こんなカラーなのだから当然見えているはずなのだ。

しかし、このカラーが気に入っている理由の多くはクルマのキャラクターに良く合っているからだ。明るく快活で楽しげで、真面目すぎない。

この鮮明なカラーでは、標準モデルよりもアグレッシブなデザインがよくわかる。それに標準モデルにはオプションでも用意されていないカラーなので、間違ってもシティカーに乗っているような感覚にはならないだろう。

シンプルな作りに好感 キャラもカラーも親しみやすい

まだ乗った時間は短いが、スイフトスポーツの比較的シンプルな作りにすでに夢中になっている。多くのモダンなホットハッチは走らせると魅力的なものの、最近のスマートフォンと同じくセットアップするには時間がかかりすぎる。本格的に楽しむ前に様々なドライブモードやセッティングを試さないといけないとなると、楽しさも半減してしまう。

しかし、スイフトスポーツはいかなるドライブモードも存在していない。前述したようなタイプのホットハッチではないのだ。まさに的を射たセッティングで、走りは快活、レスポンスはシャープに仕上がっている。これは初めてダブリンからトゥイッケナムまで走った時に、早くも明確になった点だ。

それに、このような美点はわたしが毎日の通勤に使っていることからもわかるだろう。ホットモデルだからといって、過剰に足回りが固く、このような道で乗り心地が悪いわけではない。標準モデルほどしなやかにバンプをいなすことはできないが、良い路面状況でのみパフォーマンスが発揮できるよう、荒れた路面の乗り心地を妥協しているとは感じない。

そのような意味で、スイフトスポーツのキャラクターはまるでチャンピオンイエローだ。日常の足にと選んだカラーではないかもしれないが、慣れるまでに時間はかからない。

それに、5歳の甥と会ったときの話もしておこう。このクルマを見せると、彼は「めっちゃかっこいい」といった。わたしにはそれだけで十分だ。

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