日産ジューク・プロトタイプに試乗 発表は9月上旬を予定 コンパクトSUVを再発明中
公開 : 2019.08.21 10:49 更新 : 2019.08.21 11:38
コンパクト・クロスオーバーの火付け役の1台でもある日産ジュークは英国でも人気車種。2010年からの現行型に続き、2代目が2020年に発売予定です。2019年9月とされる発表に先行して、開発途中のプロトタイプに試乗する機会を得ました。
欧州でも人気の現行型日産ジューク
日産はクロスオーバーの新世代ジュークを2020年に発売するべく、開発に取り組んでいる。今年9月上旬にその姿が正式に公表される予定だが、AUTOCARは日産の開発現場へ滑り込み、生産前のプロトタイプに試乗する機会を得た。しかも、短時間ながら運転することも許された。
現行型ジュークが発売されたのは2010年。従来のクルマとは明確に差別化されたエクステリアデザインが特徴だった。ジュークは欧州でも高い人気を獲得し、これまでに100万台以上を販売している。モデル末期となった昨年も6万台がユーザーへと渡っている。
発表から10年で、ジュークが取り巻く環境は厳しさを増している。クロスオーバーというカテゴリーは、一気に新しいモデルで溢れかえった。ジュークよりもモダンなライバルが居並ぶ中で、日産は2代目ジュークの開発の手を休めるわけにはいかない状況だといえる。
新しいジュークの狙いはシンプル。既存ユーザーが惹かれた理由でもあるスポーティな走りやクルマとしての楽しさを維持しつつ、ややシャープなエクステリアデザインで、限られていたリアシートの広さとラゲッジスペースの容量を増やすこと。
そんな新ジュークがベースとするのは、ルノー・日産・三菱アライアンスで共有するCMF-Bモジュラー・プラットフォーム。ルノー・キャプチャーやクリオなどにも採用されているものとなる。新ジュークの全長は75mmも増えるが、まだ扱いやすい範疇の4210mm。ホイールベースも106mm伸びて2636mmとなった。これはフォルクスワーゲンTクロスより85mmも長く、車内空間はこのクラスの中でもかなり広い。
外観のデザインはしっかり「ジューク」
同時に高張力鋼板をボディに採用し、ホワイトボディで剛性は13%増しにしつつ、重量は6%削っている。エンジンはいまのところ日産マイクラ(欧州版マーチ)に採用されている3気筒の1.0Lターボユニットのみだから、この軽量化は重要なポイント。最高出力は116ps、最大トルクは18.3kg-mに留まっているのだ。オーバーブースト機能で、20.4kg-mにまで一時的に最大トルクは増やせるけれど。二酸化炭素の排出量も計測済みで、NEDC値にてマニュアルが113−118g/km、ATが111−116g/kmとなっている。
日産はまだプラグイン・ハイブリッドの導入について言及はしていない。しかしルノー・キャプチャーにはPHEVを追加することが発表されているから、可能性は高いだろう。純EVの可能性は低そうだ。
では、現行型も好き嫌いが別れたエクステリアデザインだが、2代目はどうだろう。デザイン・ディレクターのマット・ウィーバーは、コンセプトカーのGT-R 2020ビジョン・グランツーリスモやグリップス コンセプトとのデザインエレメントの共通性を認めている。だが、明らかに「ジューク」している。
特徴的なヒップラインや、後方へ傾斜したルーフライン。ウインドウフレームに一体化したリアドア・ハンドルなどは現行型同様。クラムシェル型のボンネットの面構成はボルボXC40にも似た雰囲気で、リアウィングはトヨタC-HRにも通じる処理にも見える。ヘッドライトはLED化され、物議を醸した現行型よりも落ち着いたアピアランスを形成している。