字幕付き動画 スズキ・ジムニー vs SJ410 オフロードでの楽しさは不変

公開 : 2019.09.01 07:50  更新 : 2019.09.04 15:46

新型スズキ・ジムニーを、2世代前にあたるスズキSJ410とともに試乗しました。全体的な洗練度こそ大きく向上していますが、外観だけでなく基本的なコンセプトは30年経った今も引き継がれ、オフロードでの楽しさは変わっていません。

オフロードを楽しむためのクルマ

わたしは今、新型スズキジムニーに乗っている。これはわたしのお気に入りだが、みなさんもそうだと思うので今回取り上げてみた。非常に楽しい小さなオフローダーだ。今回はその先祖にもご登場願った。同じ苗字を持つスズキSJだ。

ジムニーの過去と未来を見るのにぴったりだろう。ホンダのインテグラ・タイプRとシビック・タイプRの企画と同様だ。もしまだご覧になっていなければチャンネル内で探してみてほしい。

ジムニーの良い点のひとつは小型車のルーツを守っていることだ。コンパクトなオフローダーで、日本の軽自動車の厳しいサイズ規制に合わせている。欧州仕様は違うが、日本仕様はホイールアーチのエクステンションがなく軽規格に適合する。これにより一部の都市でもクルマを保有しやすいのだ。

新型ジムニーは最高のロードカーではないというひともいる。素晴らしいオフローダーだが、独立したシャシーと車軸懸架のリアサス、それに小さなエンジンとたった5速のギアボックスではたしかに公道では世界最高のオフローダーではないだろう。しかしその評価は厳しすぎるのではないだろうか。

今64km/hで走っているが、確かにギア比はショートだ。この速度でもすでに2000rpmなので97km/hでは3000rpm、113km/hでは3500rpmといったところだ。したがって巡航時にはやかましくなるだろう。

ステアリングは少々あいまいで、乗り心地は少しごつごつしている。硬すぎはしないが、落ち着きがない。車軸懸架によりバネ下が重く、ボディが軽いため影響されやすいのだろう。理由はいろいろあるが、空気の多いタイヤと柔軟なサスペンションにより不快な突き上げではない。

スポーティな走りをするクルマではなく、ホイールの心配などをする必要もない。これを踏まえると、世界最低の洗練度というわけではないだろう。たしかにノイズは大きく疲れる。高速道路でも113km/hではなく97km/hで走りたくなる。多少は楽だからだ。

もし高速道路を年間3万km以上も走るなら、このクルマは選ばない。目的が違うのだからそれで良いのだ。こんな風に田舎道を流すのが似合っている。しかしオフロードではこのクラスで右に出るものはいない。

小型軽量なボディゆえの高い走破性

さてここはパブリック・バイウェイ。海外からご覧の方のために説明すると、グリーン・レーンやBOAT(全交通開放間道)とも呼ばれる道だ。リストリクテッド・バイウェイというのもあり、これは自動車の通行はできない。これがパブリック・バイウェイとの違いだ。もしオフローダーをお持ちならぜひ試すべきだ。

そのクルマの本来の能力を試すこともできる上、こんな道を使ってあげないと4×4を嫌うひとびとが道を潰してしまうだろう。これは昔からあるれっきとしたクルマのための道であり、ちゃんと使ってあげるべきだろう。

スズキ・ジムニー
スズキ・ジムニー

さっきまで舗装路を走っていたので今は2Hモードだが、4WDの4Hモードや、険しい路面では4Lも試してみる。走っているうちによりぬかるんだ所に出るだろう。とりあえず4WDモードにする。走行中でも切り替え可能だ。ダンピングは柔らかくオフロード向きだ。分厚いサイドウォールのおかげもあるだろう。

そこそこの速度でオフロード走行をしているが、多少揺さぶられる程度だ。最低地上高は非常に良好だ。非常に短いオーバーハングのおかげでアプローチアングルやディパーチャーアングルは大きい。そしてジムニーは1200kg程度の非常に軽いクルマだ。

SJや先代ジムニーがオフロードで今だに活躍する理由も同じだ。軽さのおかげで障害物を乗り越えられ、高回転型の4気筒NAをそれほど回さなくてもこの100psのパワーと小さなトルクで特に問題はない。車重が軽いから十分に楽しめる。

オフロード走行も慎重かつ責任を持って行えばクルマに大きなダメージは与えない。ひとに迷惑をかけることもないはずだ。サーキットに行かなくても運転を楽しみながらクルマの限界を試せる。国内を見てまわる良い機会だろう。

いったんこの新型車から乗り換えよう。1日中このグリーンレーンを走り続けられるが、旧型にも乗ってみよう。わたしはこの新型ジムニーと非常に長い時間を過ごしている。今のお気に入りの1台だ。この2台にも家族らしい類似点が見られるだろう。

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