ファッショナブルSUV アウディQ3スポーツバックへ試乗 強い存在感
公開 : 2019.09.29 09:50
コンパクトSUV、アウディQ3へスポーティさをプラスしたQ3スポーツバック。トップグレードとなる、ガソリンエンジン・モデルに試乗しました。スタイリッシュで存在感のあるエクステリアに見合うような活発さが欲しいと、英国編集部では評価しています。
美しさにフォーカスしたコンパクトSUV
コンパクトUSV、Q3へ加わったのがQ3スポーツバック。テール周りのデザインは、アウディの他のスポーツバックと同様だ。そうすることで、クルマの見られ方も少し変化する。小柄なものであってもSUVの場合、優先される実用性から、より抽象的な美しさにフォーカスされることになる。
エクステリアデザインは、スポーティさに振った、より動的ないくつかの特徴を見つけられる。Q3スポーツバックのショルダーラインはわずかに低く、ホイールアーチはより膨らみ、筋肉質で自己主張の高いデザインとなった。フロントの8角形グリルも、かなり大きく目立つように見える。
スポーツバックらしく、ルーフラインはボディ後半にいくにつれて傾斜しているのがトレードマーク。リアガラスも大きく傾斜し、その先はテールライトを目指しているように見える。
通常、既存モデルに手を加えると、美しいクルマにならないことが多い。しかしアウディは違う。Q3スポーツバックのスタイリングは、少なくともコンパクトSUVの中では非常に良くまとまっている。一方で、誰も本当に必要とはしていないクルマにも見えてしまうのは、わたしだけだろうか。
アウディとしては市場調査という裏付けがあり、需要をしっかり理解しているはず。どのメーカーも似たようなコンパクトSUVばかりという状況の中では、興味を持つクルマではあることも確かだ。
リアシートの広さとパワートレインに不満
通常のQ3と同様に、スポーツバックのインテリアも上質な素材と魅力的なデザインでまとめられている。ダッシュボードはプラスティック製だがソフト加工されているし、艶のある黒とクロムメッキのエレメントが目を引き、アウディらしい高級な雰囲気に仕立てている。
アウディがMMIと呼ぶインフォテインメントシステムのモニターは10.1インチで、英国ではオプションとなるが、アウディ・バーチャルコクピットと呼ばれるデジタル・インストゥルメントは12.3インチ。どちらも非常に滑らかなグラフィックを表示する。
運転席の着座姿勢は少し足を折り曲げる姿勢となるものの、調整幅も広く座り心地は良い。助手席の空間も良好だが、後部座席はそうとはいえない。足元まわりの空間はベストといえるほど広いが、クーペのようなルーフラインのおかげで頭まわりの空間には余裕が殆どない。ラゲッジスペースは530Lで充分な広さがある。
今回の試乗車はトップグレードとなる、230psを発生する4気筒ターボガソリンエンジンを搭載したクルマ。トランスミッションは7速デュアルクラッチATで、4輪を駆動する「クワトロ」だ。0-100km/h加速は6.5秒とのことだが、そこまで鋭く加速する印象はない。
スロットルレスポンスが鈍く、ATの変速も疑問に感じるほどに怠惰なものだった。追い越し加速などで1速落とすキックダウンをさせるには、アクセルをかなり深く踏み込む必要があり、運転のしやすさを妨げている。加速自体はとても滑らかだけに残念だといえる。エンジンは高回転域まで回すと息苦しくなり、サウンド面でも特に印象的な部分はなかった。