最新G20型3シリーズ BMW 320dツーリング Mスポーツに試乗 ほぼ満点と呼べる
公開 : 2019.11.06 09:50
ステーションワゴンのボディをまとった、最新G20型の320dツーリング。BMWらしいダイナミクス性能に実用性と堅実なルックスが組み合わされた、実力派の1台です。英国の一般道で評価しました。
高い支持を得るであろう2.0Lディーゼル
新しいBMW 3シリーズ、G20型にステーションワゴンのツーリングが登場した。今回試乗する320dツーリングは、英国のラインナップでは最有力の2.0Lディーゼルエンジンを搭載したモデル。
このエンジンの良さは、既に4ドアサルーンで2019年の初めに確認済み。幅広いドライバーに支持されてしかるべきユニットだ。欧州でのディーゼルに対する風当たりは強いままだが、性能やスムーズさ、経済性は、このカテゴリーでは依然として高い訴求力を持っている。
それはより実用性に振ったツーリングでも当てはまるだろう。4人家族での週末旅行や、ホームセンターへの買い出し、時にはトレーラーの牽引にも活躍するクルマだ。
荷室の容量は先代の495Lから500Lへと、若干だが増加。大きく開くテールゲートに段差のない低い開口部、電動で折り畳めるリアシートなどを備え、利便性は良好。リアシートを完全に折りたためば、荷室容量は1510Lにまで広がる。この広さに同クラスで勝てるのは、スコダ・スパーブ・エステートくらい。
今回の試乗車は、320dツーリングのオーナーの半数以上が選択するであろう、Mスポーツ。18インチのアルミホイールに、アダプティブではないMスポーツ・サスペンションを備えている。
またxドライブということで4輪駆動。330dのようにスポーツブレーキやアクティブ・リアデファレンシャルは装備していない。
ライバルに並ぶインテリアの質感
4気筒ディーゼルターボの反応は完璧で、3シリーズの仕上がりは秀逸。ツーリング化によってやや車重は増え、サルーンの0-100km/h加速7.0秒とまではいかないが、7.4秒とまずまず鋭い。
6気筒ディーゼルの330dほど回りたがるタイプのエンジンでもないが、ストップ&ゴーの多い都市部でも、存在感は控えめ。軽いアクセル操作で積極的にクルマを進めていくタイプではない。その分燃費は良好。さほど神経質にならずとも、17.7km/Lという良好な値を示してくれた。
ツーリングの車内はサルーンと同様に現代的。インテリアの素材感も高く、ライバルと良い競争を演じている。カーボン調のプラスティックと金属とが組み合わされた雰囲気は、ウッドの存在感が強いメルセデス・ベンツCクラスよりは無難。そのぶん、アンビエントライトが心に響くような印象を残してくれる。
テクノロジーの面でも、ライバルと互角。ただし、アップル・カープレイの利用は1年目が無料だが、年次更新の会員登録が必要となる。アンドロイド・オートは未対応ながら、追って導入予定となっている。
ダッシュボードに鎮座するインフォテインメント・システムのモニターはタッチ式。iドライブのロータリースコントローラーも残っており、歓迎するドライバーも多いだろう。
インストゥルメントは、全面デジタルモニターとなったが、アウディのバーチャルコクピットほど可読性は優れていない。任意に表示変更できる情報も、燃費と運転支援、メディアの再生状況、パフォーマンス・グラフなどに限られている。