3代目大型SUVクーペ BMW X6 M50iに試乗 530ps 乗り心地以外は大進化
公開 : 2019.11.22 09:50
3代目へと生まれ変わったSUVクーペ。すべての人に適したクルマではないにしろ、乗り心地を除いてあらゆる点でライバルより優れていると評価する英国編集部。ドイツ・ミュンヘンで試乗しました。
述べ44万台以上が売れた人気モデル
BMW X6ほど意見を分けるクルマもないだろう。初代が登場したのは2008年。プレミアム・ブランドによる高級SUVクーペという、新しいセグメントを開拓したモデルだ。
その後、アウディQ8やメルセデス・ベンツGLEクーペ、ポルシェ・カイエン・クーペ、レンジローバー・スポーツなど、ルーフの低いライバルモデルが続々と登場している。好みは別れても、X6の成功を否定することできない。
アメリカのスパータンバーグ工場で製造されるX6は、これまでに44万6000台以上がラインオフ。ライバルモデルの増加だけでなく、主要市場では環境規制も強化されている中で、BMW製の大型SUVに対する需要は今も増える傾向にある。
2020年モデルとなるX6は、BMWであることを主張する大胆なグリルを含む、フロント周りのデザインが特徴。キドニーグリルには、オプションでイルミネーションを仕込むことも可能だ。なだらかにカーブを描くルーフラインは、11年来のX6らしいシルエットを構成する。
リア周りは従来以上にスリークなフォルムになり、2代目のBMW X4との共通性を感じられる。テールランプのスリムな形状と、テールゲートの寝かされた角度などは、兄弟らしさがある。
新しいX6には、オプションでオフロード・パッケージが選択できるようになった。エクステリアデザインにタフさを加えるアンダーボディ・ガードと、最低地上高を高めたサスペンションなどが与えられる。4輪駆動のxドライブには専用のセッティングが与えられ、オフロードタイヤも装備するという。
X6のトップに立つM50iは530ps
全長は4935mmとなり、2代目X6の4909mmより26mm成長。ホイールベースは42mm伸び2975mm。全幅は15mm増しの2004mmで、全高は6mm減の1696mmだ。
インテリアは基本的に最新のX5と共通部分が多い。素材の質感は大幅に引き上げられ、BMWの最新版iドライブ・システムに対応する。計器パネルはモニターによるデジタルメーターとなり、インフォテインメント・システムには12.3インチの大型タッチモニターが用意される。
定員は5名のままだが、後部座席は足元や肩周りの空間に余裕を追加。全長は長くなったものの、荷室容量は580Lと変わらない。ちなみにX5より65L小さい。40:20:40で分割できるリアシートを畳めば、1530Lまで広げられる。
ガソリンでトップに立つのが、今回試乗したX6 M50i。4.4LのV8ターボエンジンを搭載し、最高出力530ps、最大トルク76.3kg-mを発生。X6 xドライブ40iには、340psと45.8kg-mの3.0L直列6気筒ユニットが組み合わされる。
英国では人気のディーゼルは、クワッドターボの3.0L直列6気筒エンジンから400psと77.2kg-mを発生させるX6 M50dがトップ。 X6 xドライブ30dとして、264psと63.0kg-mを発生する3.0L直6ディーゼルターボもラインナップする。
トランスミッションはエンジンに関わらず8速ATが標準。電子制御のxドライブ4輪駆動システムを搭載する。今回試乗したX6 M50iにはリアデフロック機能も備え、悪条件でもトラクションを稼いでくれる。