デザインで選んでも間違いない プジョー208 1.2 100アリュールに試乗
公開 : 2019.11.23 09:50 更新 : 2019.11.23 11:26
スタイリッシュなデザインをまとった新しいプジョー208。最良のライバル、フォード・フィエスタにドライバー・アピールで及ばないとしても、充分に競争力が高いと英国編集部は評価しています。ポルトガルで試乗しました。
208の名前を受け継いだ最新型
プジョー製の小さなハッチバックと、フォルクスワーゲン製の小さなハッチバックとの違いはなんだろう?その1つは、フォルクスワーゲンは代替わりしても名前が変わらないのに対し、プジョーは変わるところ。
最初のポロが誕生したのは1975年。2019年の今でもポロを指名できる。プジョーは1976年にコンパクト・ハッチバックの104をリリースしたが、新型が出るたびに名前は変化。基本的なレシピは同じながら、205、206、207と数字が増え、現在は208だ。
一般ユーザーからすると、わかりにくいと思う。ライバルはフォード・フィエスタやルノー・クリオ(ルーテシア)、フォルクスワーゲン・ポロなど、古くからの名前が並ぶ。プジョーにとっても、ブランディングとして適切ではないと考えたのだろう。
連続性と親しみやすさが、A・Bセグメントというコンパクトカーで戦ううえで大切だと考えたプジョー。最新型の208は、シャシーも含めほぼ完全に新しく生まれ変わっているが、208の名前は残された。
新しいプジョー208は、先代から大きな変化を遂げた。先代の柔らかいイメージから、ボディデザインも根本的に刷新。新型は全長がやや長く、全幅もやや広くなっているが、全高は低められている。
フロントのライト周りはぐっとアグレッシブな造形になり、フロントガラスの位置は後退。長めのフロントノーズとなり、ボディ全体のプロポーションも良くなったと思う。
エンジンモデルとEVとを並列で選べる
トリムグレードの上位には、グロスブラックのホイールアーチ・エクステンションが装備される。テールライトの間、リアハッチには左右のライトをつなぐトリムが付く。
フロントのデザインは、ややアウディA1と似ていなくもない。リアビューは、退屈になりかけているコンパクトハッチバックを救う、ヒーローのマスクのようにも見える。3ドアモデルの設定はないが、惹かれるデザインだ。
208を進ませる動力源は、ガソリンとディーゼルエンジンに加えて、電動モーターもラインナップする。コンパクト・ハッチバックで、3種類のパワートレインを同一ボディでリリースする、初めてのモデルとなる。PSAグループが開発した最新のモジュラーCMPプラットフォームによって可能となった。
1.2L 3気筒ガソリンエンジンには75psから130psまでの設定がある。ディーゼルエンジンは1.5Lが選べ、最高出力は100ps。さらに136psの電気モーターもあり、WLTP値での航続距離は340kmとなっている。
このプラットフォームはスグレモノで、同じ生産ライン上で、エンジン版か純EV版かを作り分けることができる。プジョーによれば、ディーゼルエンジンを選択するのは20人中1人のみ。英国では5人に1人がEVを選ぶと、プジョーは予想する。
価格はEVのe−208が最も高い。ベーシックな208に75psのエンジンを組み合わせたアクティブなら、1万6250ポンド(227万円)から。今回のテスト車両は装備が充実した中間グレードのアリュールで、エンジンは100psのガソリン。価格は1万9000ポンド(266万円)となっている。
EVのe−208は、英国の補助金を差し引いた金額でも2万5050ポンド(350万円)。長距離を走るドライバーなら、25.2km/Lの燃費をうたうディーゼルエンジンが良いだろう。