ロードテスト マツダ3 ★★★★★★★★☆☆
公開 : 2019.11.23 11:50 更新 : 2019.12.10 17:14
斬新なエンジンを積んだマツダ3を、英国編集部が徹底調査。ハンドリングはマツダに期待される通りのハイレベル。肝心のエンジンはインパクトに欠けるものの、既存のガソリンエンジンを超える魅力が感じられました。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術
ー内装 ★★★★★★★★★☆
ー走り ★★★★★★★☆☆☆
ー使い勝手 ★★★★★★★★★☆
ー操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆
ー快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
ー購入と維持 ★★★★★★★★★☆
ースペック
ー結論 ★★★★★★★★☆☆
はじめに
おそらく、これは企業の社会的責任の表れだ。実利的な理由も大きいかもしれない。しかし、初のピュアEVを発表した自動車メーカーとしては奇妙なことに、短期的に見てバッテリー動力への移行がどれほどCO2削減に有効なのかと、マツダは疑問を呈している。
この日本の、斬新さで知られるメーカーは、これまでも時流に逆らうことをためらいはしなかった。ただしその考えは、EVが可及的速やかに普及すべきで、税制や補助金でそれが加速されるのが正しいと信じてやまないひとびとをいらだたせることだろう。
マツダの商品やパワートレインに関する長期的な信条は、サステイナブル・ズームズーム2030と銘打たれている。これは油田から車輪まで、要は石油採掘から燃料としての使用まで、総合的な年間CO2排出量を、2030年までに半減、2050年までに90%削減することを目指すものだ。
しかし、マツダのリサーチによれば、電動車両であっても、エネルギー産出も含めたCO2排出量は現在だと128g/kmだという。これは再生可能ながらも今はそれがほとんど実現していないソースを組み合わせた発電によるものである。
そこで、決断を下したのだ。短期的に地球環境へ貢献するなら、内燃エンジンを封印して電気動力への全面移行を画策するよりは、シンプルにより効率的な内燃エンジンを造るほうがいいと。
そこで、来年にはEVを、数年後にはPHVを発表するだけでなく、斬新で興味深いガソリンエンジンをマツダは開発した。それが、今回テストするスカイアクティブXだ。これは既存の量産ガソリンエンジンと異なり、圧縮着火と火花着火とを併用することで効率を大幅に向上するテクノロジーである。
これをはじめて世に問うモデルとなったのが、欧州では第4世代にあたる新型マツダ3である。この、夢のエンジンともいわれる期待の新技術を搭載したニューモデルを、さっそく検証してみよう。