【際立つ都市部での走り】レクサスRX 450h Fスポーツ トヨタ式HVの強みとは

公開 : 2019.12.22 09:50

都市部での走行時に際立つ良さ

インフォテインメント・システムには、旧式のマウスのようだったコントローラーのかわりに、トラックパッドが採用されているが、使いやすさはいまひとつ。ロータリー式コントローラーを備えるBMW製のシステムと比較すると、走行中の操作は難しい。

車内空間は箱状に背が高く不満は感じられないだろう。体格の良い大人4名が快適に座れる空間に、充分な荷室容量が確保されている。短距離なら大人5名でも問題なさそうだ。

レクサスRX 450h Fスポーツ
レクサスRX 450h Fスポーツ

ランドローバー・ディスカバリーボルボXC90並の飛び抜けた実用性とまでは呼べなくても、レクサスRXには7シーターの「L」も用意されている。RX Lも実際確かめてみたが、3列目はあくまでも臨時用というレベルではあるようだ。

肝心のシリーズ・パラレル式ハイブリッドは、確かに完成度は高い。しかしAUTOCARでは、従来のエンジンモデルと比較して、それほど明確な利点を見つけられずにいる。

最も満足感の高いシーンは、都市部を穏やかに走行させている時。シームレスなCVTと、距離が限られるEVモード、クルマ本来のスムーズなセッティングの良さが一番際立つことができる。

スピードを上げてくと、加速は鋭いものの、自然吸気のV6エンジンからは回転の上昇に合わせてノイズが沸き立ってしまう。4気筒エンジンを積んだレクサスよりは、悪くない音ではあるけれど。パフォーマンス自体は輝くほどではないにしろ、不足はない。

乗り心地はそのままに機敏さを増した操縦性

反面、ドライバーの労力が少ない6気筒ディーゼルと比べると、追い越し加速や高速道路で優位性は陰ってしまう。様々な条件で走行した燃費は10.6km/Lから12.3km/L。むしろ、ハイブリッドを搭載しないガソリンエンジン・モデルと比較しても、良好といえない数字だ。

全体的な印象としては、プラグイン・ハイブリッドを搭載するライバルと並べると、ひと世代前という感じは否めない。EVモードを保とうと試みていると、ペースの遅さから、高速道路の合流などでは後続車の流れを乱していることに気付く場面もあった。

レクサスRX 450h Fスポーツ
レクサスRX 450h Fスポーツ

充電する手間はない分、ある程度一貫した燃費が得られることは確かではある。また、それ以外の部分の走りの面では、RXの仕上りは悪くない。

引き締められたアンチロールバーと新しいショックアブソーバーを採用し、ボディ剛性も高められている。オプションとして、ボディロールを減らすアクティブ・コーナリング・アシスト機能も選べるようになっている。

RXの乗り心地は、ゴツゴツしたNXと比較すると良好。路面の悪い区間でも極めて快適に移動できるモデルという印象は変わらない。

ハンドリングは若干シャープさを増した。ステアリングはダイレクト感が強まり、重み付けにも一貫性がある。グリップ力も充分高く抑制の効いた姿勢制御で、車重2tのSUVとして評価できるまとまりだ。

もちろん、日曜日の午後に家族を置いて郊外に走りに行きたくなるタイプではない。このクラスでベンチマークと呼べる程ではないにしろ、高級SUVとして求められるドライビング体験が得られる。

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