【2019年もっとも運転の楽しいクルマを決定(2)】日本勢はロードスターとスープラ ドライバーズカー選手権2019
公開 : 2019.12.29 18:50 更新 : 2021.03.05 18:46
AUTOCAR恒例の今年ベストを決める、通称ハンドリングデイ。英国南西部の一般道とサーキットで、ドライバーの満足度一番を決定します。ノミネートの11台から、今年の英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)に選出されるのはどのモデルでしょう?
11台のガチンコ勝負をはじめよう
2019年のノミネート車両は11台。この中から、まずは上位3台を選んでいく。
華やかなレースシーンと、AUTOCARが毎年恒例にしている英国ベスト・ドライバーズカー(BBDC)選手権の現場との共通点は殆どない。ご想像のとおり。
しいて1つ挙げるなら、チームメイトに勝つこと。11台もの高評価を得ているクルマ達によるグループテストで1番を決めるのだから簡単ではない。レイアウトやスペック、価格はさほど指標にはならないが、近似する者同士で勝つ必要がある。
マクラーレン600LTとアルピーヌA110は2018年に優勝争いを繰り広げた。ポルシェ911GT3やBMW M2コンペティションを退けて。
クルマを選考する中で、比較する2台を決めるプロセスも、選考基準を磨く上で役に立つ。一般道とサーキットでの両方で、たくさんのクルマに配点をしてくという困難な作業なのだから。大まかに選考分野を分け、より複雑な上位選択が始まる前に、明確な敗者は早めに省いておく方が良い。
そんな事を考えて、今年のアングルシー・サーキットに揃った11台を見下ろしてみるが、1つのペアも作ることができなかった。7万ポンド(980万円)前後の価格のクルマは2台とないし、サーキット走行を意図したスタイリングのクルマも片手で収まらないほどある。
目移ろいするノミネート車両の幅広さ
その中でも、ポルシェ718ケイマンGT4とルノー・メガーヌRSトロフィーRには、ドーベルマンとダックスフンドくらいの近似性はあるだろうか。冷静になって見比べてみよう。
伝統に則り、昨年の優勝モデルとなるマクラーレン600LTは、ディフェンディング・チャンピオンとして今年もノミネート。600psのミドシップ・スーパーカーだが、新しい4輪駆動のスーパーカー、ランボルギーニ・ウラカン・エボとは、似ても似つかない。
ランボルギーニとしては過去にないほど洗練されたテクノロジーを満載し、その個性を自ら称えるようなモデル。マクラーレンの元CEO、ロン・デニスが重んじていた純粋性とは相反する。
ダラーラ・ストラダーレは、生粋の血統書付きといえるエキゾチックなイタリアン・マシンだが、ライバルは明らかに不在。強いてあげれば2001年に英国サマセットで創業したばかりの、アリエル社のアトム4と比較できなくもない。
ダラーラと同じくらいコンセプトは急進的。どちらのクルマにも乗り降りするドアすらない。だがメカニカルな部分での文化度は、数世代は離れている。
見事な佇まいの992型ポルシェ911カレラSに最も遺伝子上近いのは、メルセデスAMGの流麗な4ドアGT 63 Sとなるだろうか。トヨタGRスープラも遠からずだろうか。