【世界屈指のハイパフォーマンスSUV】レンジローバー・スポーツSVR 国内試乗

公開 : 2019.12.31 20:50  更新 : 2022.03.24 21:24

SVOシリーズにラインナップされるレンジローバー・スポーツSVRは、史上最強のランドローバーと言えます。パフォーマンスとラグジュアリーを両立させ、強心臓を与えられたハイパフォーマンスSUVとなっています。

大幅に向上されたパフォーマンス

text:Toshifumi Watanabe(渡辺敏史)
photo:Stoshi Kamimura(神村聖)

ジャガーランドローバーのスペシャルビークルオペレーションズ=SVOは、同社のプロダクトをより魅力的なものにしたいという貪欲なユーザーの希望に応えるために用意された社内部門だ。

その仕事は単にスポーティネスの向上だけでなく、ビスポーク的な内外装の演出にも及んでいる。

カーボンファイバーコンポジット製ボンネットが採用されている。
カーボンファイバーコンポジット製ボンネットが採用されている。

そのSVOがトータルプロデュースしたプロダクションモデルとして用意されるのがSVRシリーズだ。

コンセプトはベースモデルとは一線を画するパフォーマンスの大幅な向上、それに合わせてインテリアやエクステリアは世界観を統一した設えとしている。

現在日本で買えるSVRシリーズはジャガーFタイプと同じくジャガーFペイス、そしてこのレンジローバースポーツの3つになる。

SVOシリーズに搭載される強心臓

レンジローバースポーツSVRの名を一躍有名にしたのは、その速さをニュルブルクリンクで可視化したことだろう。14年、ノルドシュライフェで計測されたタイムは8分14秒台。当時SUVカテゴリーではニュルを開発の舞台にはしていたものの、タイムをプロモーションのために用いることはなかった。

現在はポルシェやアルファロメオ、メルセデスAMGなどがそこに加わり、タイムは7分50秒を切るところに達している。

575ps・71.4kg-mを発揮するパワーユニットは、0-100km/h加速は4.5秒を達成した。
575ps・71.4kg-mを発揮するパワーユニットは、0-100km/h加速は4.5秒を達成した。

なんだかなぁ……と思わないでもないが、要はSUVカテゴリーがそれだけ多様な魅力を訴求しなければならないほど飽和化してきたということかもしれないし、一方でSUV的なものを長年手掛けてきたランドローバーとしては、ぽっと出とは違うところを全方位で証明する必要があったともいえるだろう。

レンジローバースポーツSVRは現在、その過剰なラップタイムバトルとは一線を引いているが、確実にポテンシャルアップは果たしている。

エンジンは同じAJ−V8スーパーチャージドながらそのパワーは発売当初から25psアップの575ps、トルクは2.0kg-mアップの71.4kg-mとなり、それを受け止めるべくタイヤは更に低扁平&ワイド化。併せて足まわりはセットアップの変更を受けた。

外装回りでは新たなクーリングチャンネルを設けたボンネットが特徴的なカーボンエクステリアパッケージの設定や、上下二段のワイドモニターを用いたUI及びインフォテインメントの刷新など、スタティックな商品力も向上させている。

記事に関わった人々

  • 渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。

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