【一部はSクラスより高度】メルセデス・ベンツEクラス 大幅改良 3月発表へ
公開 : 2020.01.26 10:20
大規模なマイナーチェンジを受ける、メルセデス・ベンツEクラスのプロトタイプの助手席へ試乗しました。2020年3月のジュネーブモーターショーで発表が予定されています。改良が続けられている内容の一部をご紹介しましょう。
レベル2の運転支援システムなどを追加
「これまでメルセデス・ベンツが行った中でも最大規模のフェイスリフトとなります。見た目は隠されていますけれど」 開発を指揮するミヒャエル・ケルツは、偽装されたメルセデス・ベンツEクラスのボンネットに触れながら話す。
今いるのは、ネオンサインが華やかなラスベガスからさほど遠くない一般道。マイナーチェンジを受けるEクラスのテストドライブに、プロジェクトリーダーが同行を許してくれた。間もなく開かれるスイス・ジュネーブモーターショーでの発表が控えている。
日本では2016年に発売された5代目のEクラス。わたしの隣に停まっているEクラスからは、幅の広がったフロントグリル、リデザインされたフロントバンパーやトランクリッドなど、手直しを受けたスタイリングの確認はできない。
マイナーチェンジでは、デザインだけでなく、数百もの細かな改良が加えられているという。「すべてのコンポーネント単体を検証し、改善できるかどうかを評価しました」 とケルツ。
「最大の変更点は、電装系システムのアップデートです。レベル2に相当する新しい運転支援システムの追加を可能としています。加えて最新の(自車と周辺を走行するメルセデス・ベンツ車両との)通信システム、Car-to-Xコミュニケーションにも対応します。特定の機能に関しては、Sのクラスよりも高度なものになっています」
アバンギャルドが標準トリムグレード
アップデートを受けた電装系システムは、EクラスのMBUXユーザーインターフェイスのアップグレード基盤も提供。最新のタッチ、スピーチ、ジェスチャーコントロールを統合した「ヘイ・メルセデス」によって、日常会話のようなやりとりで様々な機能操作を可能にするという。
マイナーチェンジ前と同様、メーターパネルとインフォテインメント・システムには大型のモニターを配置。ユーザーは標準となる2面の10.3インチか、オプションとなる2面の12.3インチかを選択できる。
マイナーチェンジ後のEクラスのインテリアにはほかにも、新しいマルチファンクション・ステアリングホイールやフレームレスのリアミラー、タッチパッド・インフォテインメント・コントローラー、刷新された装飾トリムなどを用意。
タッチパッド・コントローラーは、センターコンソールに従来あったロータリー・コントローラーのかわりに採用される。
2020年モデルの登場に当たり、メルセデス・ベンツはトリムグレードも見直す。アバンギャルドが標準グレードとなり、装備の充実が図られたエグゼクティブとAMGラインがオプションとして選べるようになる。
今回、ネバダ州の荒涼とした平原に伸びる、滑らかな道を走行しているのは、4輪駆動のE450 4マティック。M256型と呼ばれる直列6気筒ターボエンジンで、排気量は3.0L。電圧48Vの電装系とスターター・ジェネレーター(ISG)を搭載する、マイルド・ハイブリッドだ。
エンジンの最高出力は367psで、最大トルクは50.9kg-mとなり、電気モーターが21psと18.2kg-mをアシスト。低回転から中回転域に渡って、優れたエネルギー効率と走行性能を発揮する。洗練性もすこぶる良い。