【Mパフォーマンス初の3シリーズ・ツーリング】BMW M340i xドライブに試乗

公開 : 2020.02.20 10:20

3シリーズ・ツーリングの中で最もパワフルなM340iは、Mのエンブレムに期待通りの仕上がりを獲得しています。ライバルのAMG C43エステートやS4アバントと伍するモデルとしても充分な内容なのか、英国編集部が確かめました。

直6を積む唯一の3シリーズ・ツーリング

text:Tom Morgan(トム・モーガン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
最新G20型のBMW 3シリーズの中で、最もホットなバージョンとなるのがM340i xドライブとなる。オフィシャルでは。

4ドアサルーンには、激しいタイヤスモークを上げるM3が存在するものの、ステーションワゴンはラインナップされていない。さらにハイパワーな3シリーズのワゴンボディが欲しいなら、アルピナのB3ツーリングを手に入れる方法しかないようだ。今のところ。

BMW 3シリーズ・ツーリング M340i xドライブ(英国仕様)
BMW 3シリーズ・ツーリング M340i xドライブ(英国仕様)

もしアルピナが上品過ぎると感じるのなら、340の冒頭に付くアルファベットに満足はできるだろう。Mスポーツではなく、Mパフォーマンスというサブブランドを3シリーズ・ツーリングが冠するのは、今回が初めてとなる。

MパフォーマンスはBMW M社が独自の基準で仕立てたクルマに与えられるもの。サブブランドとして設定されてから、7年が経っている。

現在の3シリーズのラインナップで唯一、直列6気筒エンジンを搭載するモデルでもある。アップデートを受けた3.0LのB58型ユニットは374psを発揮する。

直列4気筒を搭載する330iは258psだから、大幅なパワーアップといっていい。0-100km/h加速は4.5秒にまで縮めている。サルーンボディと比べて車重は明確に増えているものの、その差は0.1秒と小さい。

駆動方式は、後輪駆動ベースの4輪駆動となるxドライブのみ。Mスポーツ・リアディファレンシャルも標準装備となる。8速ATは、専用のギア比を獲得。サスペンションも専用チューニングで、より正確性の高い特性を与えているという。

Mスポーツとの見た目の差は最小限

本物のMではないとはいえ、ライバルとするのはメルセデスAMG C43エステートや、アウディS4アバントだ。Mパフォーマンス仕立てのツーリングを、早速味わってみよう。

テールゲートに追加されたM340iというエンブレムと、デザインし直されたマフラーカッター以外、Mスポーツとの明確な違いは小さい。メルセデスやアウディなどのライバルとは異なり、一般道を走っている限り、注視しなければ気付かないかもしれない。

BMW 3シリーズ・ツーリング M340i xドライブ(英国仕様)
BMW 3シリーズ・ツーリング M340i xドライブ(英国仕様)

インテリアも同様で、通常のG20型3シリーズで見慣れた光景。レイアウトは良く操作性も良好。ダッシュボード中央には、ドライバーの方へ角度がついた大きなモニターが備わる。

インフォテインメント・システムに、アンドロイド・オートはまだ備わらない。それでも、プレミアム・エステートのライバルの中で、最も上質なインテリアに仕上がっていることは間違いないだろう。

ドライブモードをコンフォートにして、都市部を流している限りは、パワーアップの実感は控えめ。乗り心地はわずかに引き締まってはいるが、いくつかのMディビジョン製モデルのかなり硬めの設定とは、大きく異なっている。

アダプティブ・ダンパーは、舗装状態の悪い路面に良く対処してくれる。しかし、完璧に均せるというほどでもないようだ。

ハンドリングの正確性は高く、3シリーズのサルーンほどではないものの、狙った通りにクルマを導いていける。肉厚のステアリングホイールには、満足できるほどの感触は伝わってこないけれど。

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