【小さなゲレンデヴァーゲン】スズキ・ジムニー・シエラ(5) 長期テスト
公開 : 2020.03.22 11:50 更新 : 2020.03.22 11:59
気取らない小さな4WDは、短距離でも走りたくなる愛らしさ。この気持ちは長期間変わらないのでしょうか。最新のジムニーは、先代モデルに並ぶ実力と魅力を備えているのか、長期テストで確認します。
積算1万9328km 都市部での取り扱いの良さ
魅力的なジムニー・シエラに惹かれる大人。10才くらいの子供に、トンカ製のリアルなクルマのおもちゃを見せるのと同じような効果があるのだろう。もしジムニーを超える誘惑が欲しいなら、黄緑色のランボルギーニくらいの力は必要かもしれない。
ところが、締りに欠ける姿勢制御と限定的な走行性能で、1時間も乗ったら少し具合が悪くなってしまった。まるで10才の子供のように。
積算1万9342km リバティ・ウォーク
市場のチューニングメーカーや社外部品を手掛けるメーカーは、通常高級車に手間暇を投じることが多い。ランボルギーニやレンジローバー、BMWなど。
でも、まれに熱烈なファン層を生むクルマが登場すると、放ってはおかない。ご想像どおり、ジムニーはそんなクルマだ。
先日、ロンドンの中心部、メイフェアを歩いていると、派手に改造されたジムニーを目にした。ランボルギーニやフェラーリのボディキットで有名な、リバティ・ウォーク社の息がかかっていた。
筆者は、モディファイを受けたクルマが好きというわけではない。むしろ好きではない。ところが、このリバティ・ウォークのジムニー・シエラはとても格好良く見えた。黒いクルマだ。
スーパーカーと同等の注目度
ジムニーのモディファイを手掛けるメーカーは、英国にも数社が展開している。ジムニー・スタイルや、このリバティ・ウォークなど。そこで、英国市場での人気を確かめたいと思い、取材してみた。
新しく生まれ変わったジムニーは、以前からメルセデス・ベンツGクラスのミニチュア版だ、といわれることがあった。ボクシーなデザインを、小さなプロポーションで構成している。先出の黒いジムニー・シエラを、リバティ・ウォークはG-ミニと呼ぶほど。
パフォーマンス・カンパニー社でディレクターを努めるジェームス・ピアマンは、リバティ・ウォークの英国への輸入を手掛ける第一人者。「このキットは、小さなゲレンデワーゲンに見えるようにデザインされています」
「オートスポーツ国際ショーのブースで、ランボルギーニ・アヴェンタドールと一緒に、G-ミニも展示しました。実際、スーパーカーと同じくらい、多くの注目を集めました」 と話すピアマン。英国では、同社で最も成功したボディキットだという。
このボディキットには3種類がある。フロントバンパーとグリル、ワイドボディへ変えるセットで、英国では2284ポンド(32万円)。フロント・ルーフスポイラーにリアウイング、ボンネットも付く最上級のプレミアム・キットは、4456ポンド(63万円)。
エアサスペンションやエグゾーストなどもラインナップしている。英国では、スズキのディーラーでも好評らしい。「主要ディーラーの5箇所で、ジムニー・シエラのリバティ・ウォーク版をデモ車両として展示しています」