【スタイリングに誘惑される】メルセデスAMG CLA 35 シューティングブレークへ試乗
公開 : 2020.03.23 10:20
コンパクトで流麗なスタイリングが魅力の高性能エステート、CLA 35 シューティングブレーク。ライバル不在といえる、オリジナリティ強いモデルといえるでしょう。一般道での走りを、英国編集部が評価しました。
もくじ
ービジュアル系として強い影響力
ードライバーに不足ないスピードで応える
ー硬めの乗り心地でも車内には高級感が漂う
ー強く誘惑するクラス唯一の存在
ーメルセデスAMG CLA 35 シューティングブレークのスペック
ビジュアル系として強い影響力
コンパクトなステーションワゴンでも、足腰が鍛えられたクルマは多くはない。その中でもCLAシューティングブレークほど、ビジュアル系として強い影響力を持ちそうなモデルはない。
4ドアクーペとエステートボディを融合させたダイナミックなスタイリングは、実用性も高めている。CLAサルーンよりも傾斜が緩やかなルーフラインのおかげだ。
加えてこのAMGと35というエンブレムの付いたクルマの場合、パワートレインが増強され、高い運動性能も併せ持っている。搭載するのは、AMG A 35ハッチバックと同じ2.0L 4気筒ターボエンジン。最高出力は306ps、最大トルクは40.7kg-mだ。
パワーを受け止めるトランスミッションは7速デュアルクラッチATで、4マティックと呼ばれる4輪駆動を採用。基本的には前輪駆動だが、電子制御のマルチディスク・クラッチが、必要に応じて最大で50%のトルクを後輪へ割り振ってくれる。
これにより0-100km/h加速は5秒以下。最高速度は249km/hでリミッターが掛かる。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式。試乗車には、メルセデスAMGのライドコントロールと呼ばれるアダプティブダンパーも備えていた。
標準のCLAと比較すると、AMG専用デザインの前後バンパーと、2本出しのマフラーカッターが際立つ。試乗車にはAMGスタイル・パッケージと呼ばれるオプションが付いており、19インチのブラック・アルミホイールに、前後のディフューザー、スポイラーなどが迫力をプラスしている。
ドライバーに不足ないスピードで応える
シューティングブレークは、比較的若い層で人気が得られると、メルセデスは予想する。英国価格5万ポンド(675万円)のCLA 45と比較すれば手頃な、CLA 35の方が英国では多く売れるだろう。
路上に出れば、CLA 35はドライバーの求めに、不足ないスピードで応える。最もアグレッシブなドライビングモードを選択しても、エンジンサウンドは少し抑え気味。格上でハードコアなCLA 45の存在があり、CLA 35の攻撃性はやや抑制されている。
深く倒したアクセルを戻せば、燃え残りのガソリンが破裂する音がマフラーから響く。ドライバーの気持ちを盛り上げてくれるが、A 45 Sと比べれば控えめ。鮮烈なドラマ性なくスピードを高めるが、その方が効率的ではある。
7速ATの反応はかなり鋭い。フォルクスワーゲン・グループのトランスミッションより、シフトダウンは遥かに素早い。反面、都市部で流している場合はややギクシャクするところがあり、フルスロットル時は、比較的早めにシフトアップする。
シフトパネルを弾いた方が遥かにシャープに操れる。ダッシュボードのシフトインジケーターは、完璧ではないものの、右足の踏み込み量に反応し点滅。レブリミッターに当ててしまう機会を減らしてくれる。
コーナリングは、クラス上のBMW 3シリーズが持つダイナミクス性能には及ばない。だがフォルクスワーゲン・ゴルフRエステートより、ドライバーとの一体感は強い。