【すでに素晴らしいホットハッチ】VWゴルフGTI 新型開発車両の助手席へ 前編
公開 : 2020.05.16 10:20
8代目ゴルフGTIの発売がおよそ半年に迫っています。英国編集部はフォルクスワーゲン社のテスコトースで、プロトタイプの助手席試乗を許されました。動的性能をまとめる技術者の運転で、現段階の仕上がりを確かめました。
8代目ゴルフGTIプロトタイプの助手席へ
せっかくフォルクスワーゲン・ゴルフGTIに乗るなら、普段なら助手席は選ばない。理屈抜きに、スリリングなドライビングを体験できるから。
でも、今回試乗するのは、最新の8世代目ゴルフGTI。英国のショールームに並ぶのは、2020年後半が予定されている。
世界屈指のテストコースで、開発途中のGTIを、1時間ほど楽しませてくれるという。またとない機会。今日ばかりは助手席でも構わない。
いくつもの書類にサインをし、厳重なセキュリティをクリアする。ドイツ北部、広大な敷地に広がるフォルクスワーゲンのエーラ・レッシエン開発センター・テストコースへの入場を許された。
わたしの隣りに座っているのは、フォルクスワーゲンのドライビング・ダイナミクスを取りまとめるエンジニア、カルステン・シェブスダット。新しいGTIのギアを7速に入れ、終わりの見えないストレートで、フラットアウトしている。
テストコースの路面は極めてスムーズ。部分的に4車線がある。全長は8.7kmもある。
デジタルのスピードメーターは249km/hを表示している。シェブスダットは新しいゴルフGTIと、2013年発表の先代とのドライビング特性の違いを、熱心に説明してくれる。
「高速域でも非常に安定しています。荷重がかかった時のリア側の剛性を高め、バランスを改善させ、ライン取りを向上させています」 ダッシュボード中央のモニターをなぞりながら話す。ドライビング・モードを、よりスポーツ志向のものへ変更した。
マイルド・ハイブリッドは不採用
突然、何の前触れもなく、シェブスダットはステアリングホイールを四分の一ほど切って、すぐにカウンターを当てた。「非常にレスポンスに優れ、従来以上に安定性も増しています」 そう話しながら、隣の車線を勢いよくまたぐ。ステアリング修正を加え、姿勢を整える。
横方向にかかる力は巨大なものだった。筆者のみぞおち辺りに強い力がかかる。プロトタイプはすぐに落ち着きを取り戻し、何もなかったように疾走を続ける。
新しいゴルフが登場したばかり。最新のゴルフGTIは、まだ知らないことだらけだ。でも、標準のゴルフとは違った印象を受ける。よりエネルギッシュでスポーティ。洗練性と落ち着きは、通常のゴルフと変わらないところにある。
駆動方式は、名高い血統にもとづいて前輪駆動。ライバルは、フォード・フォーカスSTやホンダ・シビック・タイプR、ルノー・メガーヌR.S.。引き続き、激しい競い合いとなる。
2020年に登場する8代目も、7代目と同じEA888型と呼ばれるエンジンを搭載する。2.0Lの直列4気筒ターボガソリンだ。
一度は電圧48Vのマイルド・ハイブリッド化を示唆していたが、フォルクスワーゲンは先代モデルに引き続いて、純粋な内燃エンジンのみの搭載を決定した。8代目ゴルフの標準モデルには、オルタネーターによる電動アシストも採用されているのだが。