【あたらしくなったベントレーSUV】ベンテイガ試乗記 「迷ったらW12」覆した4L V8の熟成 動的性能

公開 : 2020.08.30 11:50  更新 : 2022.03.24 21:24

ビッグマイナーチェンジした、ベントレー・ベンテイガの試乗記事。最大の変化はエクステリア。どこが変わったかをまとめます。また「迷ったらW12」と推し続けてきた筆者の考えが覆った走りの印象をお伝えします。

ベンテイガにまつわる興味深い数字

text:Toshifumi Watanabe(渡辺敏史)
text:Sho Tamura(田村 翔)

ベントレー初のSUV、ベンテイガは15年9月のフランクフルトショーで発表され、16年上旬からの世界順次発売から4年で2万台オーバーのセールスを記録している。

彼らにとっては早くも大成功を収めたと断言できるだろう、そんな足跡を残してきた。

ベントレー・ベンテイガは2016年上旬からの世界順次発売から4年で2万台オーバーのセールスを記録している。
ベントレー・ベンテイガは2016年上旬からの世界順次発売から4年で2万台オーバーのセールスを記録している。    田村 翔

それを踏まえてのビッグマイナーチェンジという節目に、ベントレーは興味深い数字をわれわれに教えてくれた。

まずベンテイガのオーナーの平均年齢は45歳。そして4人に1人は女性だという。その若さや感覚のリベラルさは他のモデルと比べても際立っている。

その数字項目の中には、オーナーの82%は毎日ベンテイガをドライブし、74%のオーナーは街で運転しているというものもあった。

そして35-56%のオーナーは子どもを後席に乗せて週に1度以上は運転しているという。

逐一見て数えたんかいというような話だが、もちろんベンテイガは吊るしでも満艦飾とはいえ、車内を撮影するカメラの類はない。

ただし、完全匿名化を条件に運行履歴をDCMを通して収集するくらいのことは、今日びどの自動車メーカーでもやっていることだ。ベントレーもそうやって顧客のニーズをプロファイルすることに役立てていても何ら不思議ではない。

ちなみに日本は発売開始から今年6月末までに695台のベンテイガを販売。パワートレインの比率的には途中追加されたV8が約4割に至るも、W12の方が数は多い。

ビッグマイチェン 外観どう変わった

発売から4年弱を迎えてのビッグマイナーチェンジとなった、その最大の変化は一目瞭然のエクステリアにある。

フロントフェイスはフェンダー端が10mm後退し、ワイド化されたマトリックスグリルを際立てるように絞りの効いたシェイプになった。ヘッドライトは他のファミリーと同様にクリスタルカットが施された四灯を楕円小径化して配することで、スポーティさや据わりの良さが一層強調されている。

フロント/リア周りの、ビッグマイナーチェンジ前後の比較。グリーンのモデルがマイナーチェンジ後。
フロント/リア周りの、ビッグマイナーチェンジ前後の比較。グリーンのモデルがマイナーチェンジ後。    田村 翔

リア周りはクラムシェル型のゲート形状を採り、ティアドロップ型のLEDテールランプとの組み合わせで連続性のあるファミリーデザインとしている。

左右各10mmワイド化されたリアトレッドに合わせてバンパー形状も変更され、ナンバープレートもこちらに移設された。

リアスポイラーは大型化され、空力要件とともに車体の長さを強調する効果も持たされている。

リアゲートのオープナーはコンチネンタルGTと同じくウイングバッジの中央が兼ねるようになったほか、オプションでバンパー下部センサーを用いたハンズフリーオープナーも選択できる。

記事に関わった人々

  • 渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 田村翔

    Sho Tamura

    1990年生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業後、2013〜2020年までアフロスポーツのメンバーとして活動。2020年よりフリーに転向。光と影を生かしながらレーシングカーやアスリートの「美」と、報道的かつ芸術性を追求した表現を目指し、モータースポーツと国内外のスポーツ競技を撮影する。日本レース写真家協会(JRPA)会員/日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。

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