野ざらし発掘 ーー 悲しいヒストリーを持つクーパー500

公開 : 2017.04.22 11:00  更新 : 2017.06.01 00:22

野ざらし発掘の2回めは、少々悲しいストーリーを持つクーパー500です。圧倒的な強さを見せたクーパー500は、約10年間で400台が製作された名車といえるスポーツカーですが…。

クーパー・カー・カンパニーの黎明期のモデルであるクーパー500は、約10年製造された名車であり、モデル後期にはF3の公認車両となるモデルだ。スターリング・モスがデビュー戦であるプレスコット・ヒルクライムで優勝した他、F3では破竹の勢いを見せた。特に、1950年代のF3は、クーパーによってほぼ独占されたと言ってもよいほどだった。


アンディ・アンダーソンがアメリカで見つけたこのクルマは、クーパー500のマークIIIあるいはマークIVをベースとしたマシンのようだ。エンジンはすでに外されていたが、チューニングされたハーレー・ダビッドソンの750ccユニットが搭載されていたようだ。エクステリアは、フォーミュラカー・スタイルではなく、スポーツカー・ボディが被せられているが、シングル・シーターのままだ。

アンダーソンは、このクルマの歴史を少しだけ遡ったという。12年前にニューメキシコのズザックスという山岳地帯にある砂漠のカーポートにあったクルマをアンダーソンは購入したという。それより遥か以前の1950年代からこのクーパーはニューメキシコにあった。最初のオーナーは、英国訛のある高齢のレース好きだったようだ。その後、本当はバイクが欲しかったという若者の手に渡る。この若者は、しばらくするとこのクーパーを手放し、本当に欲しかったバイクを手に入れたが、不幸にもそのバイクを手に入れた日に殺されてしまう。

それ以降、このクーパーは砂漠のガレージに放置されていたのだという。ギャングたちにいたずら書きをされ、また金属部分は腐食が進んだ跡が見受けられる。

誰か、この悲しいストーリーを持つレーシングカーに、新しいヒストリーを加える希望者はいないだろうか。

 
※ 編集部では日本国内で野ざらしになっているクルマの情報もお待ちしております。写真とコメントを編集部までお送りいただければと思います。

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