スロットカー60年の進化 大人も楽しめる理由は スケーレックストリック社訪問
公開 : 2018.02.04 19:10
60年前の英国に、クルマの電動化を進めたメーカーがありました。最近では、走行コースのセレクトをデジタル制御。その名はスケーレックストリック。スロットカーの老舗ブランドのお話です。
もくじ
ー 60年の歴史を誇る英国製スロットカー
ー スケーレックストリック進化の60年
ー 流転の歴史の生き証人と対戦
ー 初期〜最新アイテム 一挙紹介
60年の歴史を誇る英国製スロットカー
「これが、まさにわたしが初めてデザインしたのと同じものです」と語るジェイミー・ブキャナンが指さすのは、ルノー・ラグナ・ツーリングカーだ。ただし、1/32スケールの。ここはケント州マーゲイトにある模型メーカー、ホーンビィのビジターセンター。目の前には、多くの自動車模型が並ぶキャビネットが鎮座している。
幼いエンスージァストたちを魅了し、レーサーを目指そうと思わせたオモチャが、発売60周年を迎えた。それがスケーレックストリックだ。
「あの頃、わたしたちは数えきれないほどクルマの計測と撮影をしたものです」とブキャナンは振り返る。彼は25年にわたり、このスロットカー・ブランドを展開するホーンビィに籍を置き、デザイナーから商品開発の責任者へとキャリアを積み上げてきた。
「それから、2次元CADで設計図を起こし、モデル製作者がプラスティックで輪郭を切り出します。プロトタイプを製作して、デザインを実証するんです。これに続いて、原型師がクルマを象った木型を製作します。これがモールドの基本になります」
最終的な生産は1週間ほどでできるが、そこにたどり着くまでには権利関係の調整や、可能な限り実車に近づけるデザイン作業、金型の製作なども含め、2年ほどの期間が必要だ。