砂漠の大パーツ焼きコンテスト? キアのパーツ耐久テストセンターに潜入
公開 : 2018.06.03 08:10 更新 : 2021.03.05 21:36
カリフォルニアの砂漠の中に、キアの試験場があります。そこではクルマを構成するすべての部品が灼熱の日光に焼かれ、溶けたりしないかをテストされています。さらに、試験場内にはテストコースもあり、過酷な環境での走行テストも行われています。
もくじ
すべての部品が太陽に焼かれる
ロサンゼルスから2時間ほど北へ行くと、そこはモハーヴェ砂漠。エドワーズ空軍基地、それにいまだ採掘中の金鉱があったりもする。ここにくれば、キア車が7年保証をほこり、信頼性調査で常に上位にはいる秘訣がわかるという。
まずはごらんあれ。ステアリングホイールからダッシュボード、コンソール、シートカバー、ヘッドライトにバンパーと、キアの部品ひとつひとつ何からなにまで、気温40℃のなかカリフォルニアの太陽に焼かれ、溶けたりなどしないかテストされているのだ。施設長のマット・シアのことばを借りれば、この試験施設の苛酷さは「クルマに降りかかるいちばんの悪夢」という。
150万ポンド(2億1900万円)を投じて建設されたこの施設で得られるテストデータは、分刻みで韓国の本社へ送られる。
パーツは種類によって、作業ベンチにねじ留めされて風雨にさらされるものもあれば、常に太陽のほうを向くNASAからもってきたような変わった容器に入れられるものもある。
実験技師のティム・マルティネスに説明してもらった。「あの容器は培養器みたいなものです。日中12時間のあいだは太陽を追いかけて動き、内部の温度が90〜110℃になるようにファンとカーテンで調節しています。パーツは基本的に紫外線や熱にさらして、劣化、ふくれや引け、あるいは損傷がおきないかたしかめます。われわれは加速劣化とよんでいますが、ここでは6カ月で5年分の劣化を引きだすことができます」