ジャガー・ランドローバーCEO、EU離脱の強硬路線を懸念 「英離脱も否定せず」
公開 : 2018.07.09 15:10
ジャガー・ランドローバーのラルフ・スペスCEOは、英国のEU離脱についての懸念を表明しました。今後の交渉において強硬路線を取りEU市場との決別を招いた場合、会社の生き残りのため英国からの離脱も否定できないとしています。
もくじ
英国撤退の可能性も排除せず
ジャガー・ランドローバー(JLR)のラルフ・スペスCEOは、ハードブレクジットと呼ばれる強行路線の影響について懸念を表明した。関税などの影響により年間12億ポンド(1758億円)の支出増が見込まれ、最悪の場合英国から撤退せざるを得ないとのことだ。
JLR使用する輸入パーツは50億ポンド(7323億円)に達するほか、このふたつのブランドの生産量の20%を輸入している。
スペスは「わたしは脅迫したいわけではありませんが、今後の変革にともなう影響を明らかにする必要があります。われわれは英国に残ることを望んでいます。ジャガー・ランドローバーの精神は英国にあるのです」と述べた。
もしブレクジット後に会社を守るための唯一の選択肢が英国外に出ることであれば、その可能性も排除しないと彼は語る。「われわれに不利な条件が揃い、海外移転しなければならないとしたら、英国内の工場を閉鎖しなければなりません。これは非常に残念なことです。ただし、これはあくまでも仮定の話であり、現実にならないことを願っています」
スペスは2010年以来の同社の発展について話を続けた。「われわれは8年間にわたってこの会社を育ててきました。この努力が瞬く間に水の泡となってしまうかもしれないのです。われわれは今後も英国内での投資を続け、サプライヤー、顧客、そして英国内の4万人の雇用を守りたいと考えています」