英国のEU離脱(ブレクジット) 自動車産業への影響は 危険性とメリット
公開 : 2018.08.18 12:10
英国のEUからの離脱の仕方は英国の自動車産業の将来に重大な影響を与えるといわれています。成り行きによっては英国全体が再び不況に陥る可能性すらはらんでいます。この問題に対する現在の産業界内部の反応について、まとめました。
もくじ
ー 英国自動車産業の未来を決める2大要因
ー 成り行き次第では不況の危機に
ー 雇用減少も始まる
ー 自動車産業にとってブレクジットの良い点は?
ー 英自動車メーカーは何を望んでいる?
ー 12兆円産業の主要プレーヤー(その1)
ー 12兆円産業の主要プレーヤー(その2)
ー 12兆円産業の主要プレーヤー(その3)
ー 12兆円産業の主要プレーヤー(その4)
英国自動車産業の未来を決める2大要因
英国のEUからの離脱(=ブレクジット)は英国の自動車産業の将来に重大な影響を与えるだろう。現在の産業界内部の反応についてニック・ギブスが報告する。
自動車産業全体は混乱した現状にピリピリしている。自動運転、中国問題、電動化など、今日ではどれも脅威となり得るものだ。しかし英国では、混乱はもっと早くからさらに古典的な原因で起こっている。政治だ。英国の自動車産業の現状は、ブレクジットと(それより影響は小さいが)ディーゼル販売の減少という二大要因により決定されていると言って良い。
そしてこのふたつの先行きは、すべて政府と野党が握っているのだ。
たとえ政治的立場がどうであれ、820億ポンド(12兆円)産業の将来をこんなことに委ねてしまうのは間違いだと誰もが思うだろう。英国の貿易輸出額の13%に達する額なのだ。
自動車サプライヤー、ユニパートの社長は、ブレクジットは自動車産業に対して1970年代に起きたよりもさらにひどい惨禍を与える恐れがあると警告している。「強硬なブレクジット論者は、好戦的な労働組合の連中でも出来なかったことを仕出かしかねないとわたしは危惧している。英国の自動車産業をぶち壊すことだ」ジョン・ニールは5月のデイリー・メール全国版にこう書いている。