VWが自律運転の先に見据えるもの 事故リスクゼロ、竹のクルマも? 独占取材
公開 : 2018.09.08 11:40
完全自律運転が実現し、ドライバーが不要になれば、根本的にクルマ作りが変わることになりそうです。フォルクスワーゲンが創り出したセドリック・コンセプトはそんな未来を見つめたモデルです。事故のリスクがなくなれば、紙や竹でクルマを作ることさえ可能になります。
もくじ
ー 未来の技術 すべてを変える
ー セドリック・コンセプト 仕様は各国別に
ー 目的地到着は二の次? ドライバーの役割は?
ー 番外編1:グループのデザイン 今後もブランドごとに
ー 番外編2:フォルクスワーゲンのコネクティビティ
未来の技術 すべてを変える
自律運転技術、電動化、そしてコネクティビティの進展により、クルマのデザインと生産方法が根本的に変わり、紙や竹までもが自動車の材料となるかも知れない。
これはフォルクスワーゲン・グループでデザインディレクターとしてこの巨大メーカーの欧州フューチャーセンターを率いるピーター・ウーダの見解だ。このセンターでは、昨年発表されたセドリック・コンセプトのような将来を見据えた技術開発に力を入れている。
現在、自動車業界は半自律運転ドライバー支援技術の開発に注力しているが、ウーダが見つめるのはさらにその先の、ドライバーからの操作をまったく必要としない、完全自律運転モデルである。このドライバーレス技術が実現すれば、自動車デザインそのものが根底から変わることになる。
「セドリックに続く第2世代モデルのデザインはまったく異なるものになります」とウーダは話しており、「ドライバーがいなくなれば、事故のリスクがなくなり、シートベルトや頑丈なボディ、バンパーやエアバッグといったものも不要になります。そうなれば紙でクルマをつくることもできるのです。乗員が必要とするのは、雨風といった気象条件からの保護だけです」
こういった材料を使えばクルマ自体が軽くなり、結果的にEVの航続距離を延ばすことができるようになるはずだ。
「シンプルなソリューションが可能になります」とウーダはいう。「必要なら、竹からでもクルマをつくることができます。可能性は無限です。もちろん、4つのタイヤと動力源は必要ですが、それ以外はまったく違った形になるでしょう」