WRCを席巻 ワークスST185セリカ、今いくら? ボナムス・オークション

公開 : 2019.02.14 06:10  更新 : 2020.12.08 18:39

WRCで活躍したグループAセリカが、パリで開かれたボナムス・オークションに姿を見せました。ある意味究極のロードカーといえる本物のグループAラリーカーは、いくらで落札されたのでしょうか。

text: Kazuhide Ueno(上野和秀) photo: BONHAMS

もくじ

TTE製作 本物のグループAセリカ
サンレモ・ラリー優勝車というヒストリー
落札額 意外や2588万円

TTE製作 本物のグループAセリカ

1992年をもって王者ランチアが撤退したあとのWRCはフォードトヨタの闘いになり、そこにスバル三菱が割って入るというあらたな戦国時代が始まる。その中で一歩リードしていたのがトヨタだった。グループB時代からオヴェ・アンダーソン率いるTTE(トヨタ・チーム・ヨーロッパ)で製作したセリカで闘い続け、グループA規定になってからST165セリカGT-Fourにスイッチし着実に進化を遂げ、1990年にはWRCのドライバーズ・チャンピオンを勝ち取るまでになる。

ベース車のモデルチェンジにより、ワイドボディで実戦向きの装備を当初より備えるST185に進化。製作はケルンに本拠を構えるトヨタ直系のTTEで行われ、日本でのモデル名はセリカGT-Fourだが、ヨーロッパではセリカ・ターボ4WDと呼ばれ、FIAへの登録もこの名で行われた。

ST185セリカ・ターボ4WDは基本的な戦闘力の高さから本領を発揮し、1992年にカルロス・サインツがWRCのドライバーズ・タイトルを獲得し、1993年になるとユハ・カンクネンがワールド・チャンピオンを得るとともに、日本車で初のWRCマニュファクチャラーズ・チャンピオンを獲得し、トヨタにダブル・タイトルの栄光をもたらす。

翌1994年も活躍は衰えず、ディディエ・オリオールがドライバーズ・タイトルを勝ち取るともに、マニュファクチャラーズ・タイトルもスバルを抑えて手にしたことから、トヨタは2年連続でダブル・タイトルを勝ち取るというWRC黄金時代を迎えた。

続いて出品された個体についてご紹介しよう。

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