ランチア037ラリー、1億円に迫る新記録 ノンレストア車がオークションに
公開 : 2019.05.07 06:40 更新 : 2020.12.08 18:05
最も美しいラリーカー「ランチア037ラリー」がオークションに登場。3オーナーでノンレストア、走行3500kmとあって、1億円に迫る新記録の額で落札されました。
text: Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo: RM Sotheby’s/Peter Singhof
037ラリー・ストラダーレ シャシーナンバー022とは
既報の1.3億円で落札されたデルタS4ストラダーレとともに、RMサザビーズ・エッセン・オークションには「ランチア037ラリー・ストラダーレ」も出品された。
アバルトが開発し、シャシーはダラーラ、スタイリングはピニンファリーナと、イタリアの匠たちが作り上げた037ラリーは、愛好家の間で最も美しく由緒正しいラリーカーと高く評価されている。
最終的にコンペティツィオーネも含めて217台が製作され、日本にも当時の代理店だったガレーヂ伊太利屋の手により10台余りが正規輸入された。ちなみに当時の定価は980万円で、奇しくもWRCでのライバルだったアウディ・クワトロと同額だった。
ドイツで開催されたエッセン・オークションに出品された037ラリー・ストラダーレは、シャシーナンバー022の個体。新車でシチリア島のパレルモに住むラリー好きのオーナーにデリバリーされたが、競技に使われることは無くロードカーとして楽しんでいた。2005年にボローニャ在住のオーナーがコレクション用に譲り受けたが、登録をすることなくそのまま倉庫に収められていた。
それが2015年に放出されてドイツのコレクターに渡り、今回出品されることになったのである。