WRCで最も過激だった1980年代 8車8様 グループBの暴れ馬
公開 : 2019.05.19 10:10 更新 : 2020.12.08 10:40
ルノー5マキシ・ターボ(1984年)
レイアウト:ミドシップ・後輪駆動
エンジン:1527cc直列4気筒ターボ
最高速度:197km/h
ニール・ブライトンは、彼の美しいルノー5マキシ・ターボでラリー・ドイチュラント、ラリー・フィンランド、アイフェル・ラリーなど、ヨーロッパ中のラリーイベントを20年以上転戦している。「以前、フランス人のガールフレンドがいて、ルノー5が欲しいと思っていた時期があったのですが、手に入れたのはルノー5アルピーヌ(ゴルディーニ)でした。でも、その後ラドボーンレーシングの5ターボを目にする機会があり、このクルマを手に入れなければ、と思ったんです」 と振り返るブライトン。
レース・レトロに参加している多くのクルマと同様に、このルノー5もロードカーがベースだが、1990年代に制作されている。「すべての信頼できる部品を揃える作業は、まるで悪夢でした」 とブライトンは話す。カロッツェリア、ベルトーネのデザイナー、マルク・デシャンが設計した5ターボは、当初グループ4に投入され、優れた競争力を示した。ジャン・ラニョッティのドライブで、1981年のモンテカルロ・ラリーと82年のツール・ド・コルスで優勝している。
その後グループBの規格に合わせてアップグレードされ、1984年に投入された1527ccエンジンで最高出力は213psから289psへと高められた。このマキシ・ターボの特徴は、何といっても大きなリアスポイラーで、空力性能も向上している。このマキシ仕様で製造された5ターボはわずか20台だったが、現存するのは12台。目立った活躍は、1985年のラニョッティのドライブでの、WRCツール・ド・コルスの優勝になるだろう。