V型12気筒エンジン、なぜ魅力的なのか 近づく惜別のとき 理由を探る

公開 : 2019.07.20 18:50  更新 : 2019.07.20 19:11

番外編1:偉大なるV12エンジン5選

フェラーリ コロンボV12

フェラーリ最初の20年間、すべてのロードモデルとともに、もっとも有名なレースカーにも積まれていたエンジンだ。

片バンク当たり1本のカムシャフトを持つ1.5ℓから始まったこのエンジンだったが、最終的には4カム3.3ℓにまで発展している。

テスタロッサ、GTO、ツール・ド・フランスの愛称を持つ250ベルリネッタ、250 SWB、250 LM、そして275 GTB/4など、コロンボV12を積んだモデルは枚挙にいとまがない。

ランボルギーニ ビッザリーニV12

ランボルギーニ初のモデルである1963年の350 GTから、2011年の最後のムルシエラゴまで、3.5ℓから6.5ℓへと排気量を拡大しながら、すべてのランボルギーニに搭載されたエンジンであり、もっとも長い現役期間と柔軟性を誇るパワーユニットのひとつだ。

このエンジンが転機を迎えたのは、1985年のカウンタック・クワトロバルボーレに搭載された4バルブヘッドが登場した時だった。

マクラーレン-BMW V12

このマクラーレンF1に積まれたエンジンのどの程度が既成のパワーユニット由来のものだったかについては、いまも議論が盛んに行われているが、決して単にM3のエンジンをひとつのクランクシャフトで結合しただけのものでないことは確かだ。

史上もっとも刺激的な独特のV12でもあり、言うまでもないが、当時、量産モデルに積まれるものとしては、圧倒的なパフォーマンスを誇っていた。

ロールス・ロイス マーリン

確かに自動車用ではないが、ごく少数の素晴らしく無鉄砲なひとびとの手によって、このクワッドカム、48バルブ、スーパーチャージャー付きの航空機用27ℓエンジンは、クルマにも搭載されており、だからこそ、今回ご紹介することにしたのだ。

第2次世界大戦当時、このエンジンは英国が誇るもっとも偉大な戦闘機に積まれており、そのなかにはスピットファイア、ハリケーン、モスキートにランカスターといった機体が含まれていた。

フェラーリ フラット12

おそらく、ロードゴーイングモデル向けのV12としては、もっとも滑らかで洗練されたエンジンだ。

確かに、180度の狭角を持つV12ではあるが、ピストンが水平に向かい合っているわけではないため、「ボクサー」エンジンではない。

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