クラシックカーの価格、どう決まる? カギはデータと徹底的なチェック
公開 : 2019.07.21 11:50 更新 : 2020.12.08 18:48
人気が続くクラシックモデル価格決定の背景を探ってみました。こうした希少モデルを専門に取り扱う保険会社が、スペシャリストの徹底的なチェックと、これまでに集めたデータをもとに算出した保険金額が、それぞれの車両の価値を決めているようです。
もくじ
ー アンティークス・ロードショー 完ぺきな仕事場
ー 詳細なレポート コンディションを評価
ー ハガティー・クラシック・インデックス
ー 市場は存在 うれしい宣告
ー 番外編:ハガティー社おすすめ いま手に入れるべき10台
アンティークス・ロードショー 完ぺきな仕事場
それなりの照明と多少のメークアップ、そして10インチのハイヒールがあれば、マーカス・アトキンソンも、BBCが誇る人気司会者、フィオナ・ブルースの代わりにアンティークス・ロードショーの司会が務まるかもしれない。
だが、フィオナが番組スタッフとともに邸宅内でアンティーク探しをする一方、わたしが会ったときのアトキンソンは、レミンスターの近く、交通量の多いラウンドアバウトのそばにある、まるで家畜小屋のような建物の中で、クリップボードを持って何人かのスタッフとともに佇んでいた。
だが、それも当然だろう。フィオナと同じく、彼も列をなすアンティーク愛好家たちに対応していたのであり、彼が査定をするのは、古いズボンプレッサーやティーポットではなく、こうしたエンスージァストたちが持ち込む、由緒正しい希少モデルだ。
セドリック・エグビーもそんなアンティーク愛好家のひとりであり、かつて電力局で会計士を務めていたこの76歳は、ウェールズのクナイトンにある自宅から、表向きは同好の士とティータイムを楽しむため、実際にはアトキンソンと彼のチームが、自身の所有する1962年式シリーズ2ジャガーEタイプ4.2コンバーチブルに対して、どれくらいの評価を与えるかを知るために、30kmほどの道のりをやってきたのだった。
「いまもEタイプが世界でもっとも美しい1台であることに変わりはありません」と、彼はボンネットを軽くたたきながら断言する。
「価格が高騰を始めた1990年代に、米国から輸入された車両であり、ハンドル位置が左から右へと変更されています。7年前に3万8000ポンドで手に入れています。まさに、子供のころの夢がかなった瞬間でした」
この「家畜小屋」だが、実はBrightwells Auctioneers and Valuersが所有する真新しい建物のひとつであり、レオミンスターに拠点を置くこの伝統あるオークション会社では、定期的に最新モデルからクラシックカー、さらには工場設備、アンティークグッズ、馬、家やワインのオークションを開催している。
そして、クラシックカー専門の保険会社であるハガティー社からやってきたアトキンソンと彼のチームにとって、ここは完ぺきな仕事場となっているのだ。