ラディカル・ラプチャー(邦貨1200万円)に同乗 車重765kg、出力355ps
公開 : 2019.08.07 11:40
ラディカルが、最も公道走行を重視したという新型車「ラプチャー」を発表したのは既報の通り。実は、グッドウッドのヒルクライムで、AUTOCARの記者が同乗していたのです。
もくじ
ー 最も乗りやすいクルマ……?
ー 意外と快適 車内の評価
ー 本物のヘビーデューティー
ー まるでロケットの付いたソリ
ー ジャガイモバズーカの皮を被ったロケットランチャー
ー 約1200万円、……格安
最も乗りやすいクルマ……?
ラプチャーはラディカルで最も乗りやすいモデルだ。少なくとも、同社のディレクターを務めるアンドレアス・ツィールケはそう言っている。それは小さくて、比較的安価で、何より重要なことに公道走行にも適合している。というわけで、ラディカルの神聖なサーキット走行用マシン、RXCと比べると、確かに親しみやすいクルマになっている。
にもかかわらず、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでヒルクライムの出走を待つその姿は、非常に堂々としていた。細身のジーンズをはいた身体を折り曲げ、居心地によいキャビンに入り込もうとしている時に、「乗りやすい」という言葉はなかなか頭に思い浮かばない。
しかし、ラプチャーの細部に目を向けると、「崇高」という言葉が思い浮かんでくる。すべてが目を引き、すべてが見事だ。一見すると多くのサーキット専用車と同じ典型的キットカーのように思われるかもしれないが、ラプチャー専用の新しい生産ラインが設けられたピーターバラにあるラディカルの工場では、10mmのソケットレンチが置き忘れたままになるなんてことは絶対にないだろう。
止まっているときでさえ、このLMP1プロトタイプレースカー風ボディの上を、いかに空気が滑らかに流れるか、簡単に想像できる。ダッシュボードのすぐ裏から真っ直ぐ前方に伸びたノーズコーン、キャビン周りの空気の経路、新たにデザインされた二段式リアウイングは、いずれもダウンフォースを高め、乱流を抑えるためにデザインされたものだ。