ランボルギーニ 2021年にル・マン参戦を検討中 SC18アルストンがキー
公開 : 2019.08.09 20:20
2021年のル・マンに導入されるハイパーカー・カテゴリーに、ランボルギーニが参戦を検討か。同社のレース部門がワンオフで製作したSC18に、そのヒントがありそうです。
2019年中には決定
ランボルギーニが、2021年から新たに始まるル・マン耐久レースのハイパーカー・カテゴリーへの参戦を検討している。もし実現すれば、アストン マーティンやトヨタなどのライバルとなり、あの有名な24時間レースの総合優勝を競うことになるはずだ。
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでランボルギーニのステファノ・ドメニカリCEOと話した際、かつてフェラーリでF1チームの代表を務めていた同氏が、現在検討中のプロジェクトについて語ってくれた。年内には決定が下される予定だという。
「レギュレーションを調べ、議論を重ねています」とドメニカリ。「結論が出るまでお話しできることはありません。現時点では、イエスともノーとも言えませんが、その可能性はあります」
2020年からWECに導入される新レギュレーションでは、参戦メーカーは現在よりも市販モデルとの関係性が高い車両を使ってレースを戦うことになる。アストン マーティンはハイパーカーのヴァルキリーで参戦する予定であり、トヨタはガズー・レーシング・スポーツ・コンセプトとして公開したマシンの開発を進めているところだ。
ドメニカリは、ランボルギーニのレース部門スクアドラ・コルセがある顧客のためにワンオフで製作したSC18アルストンのことを挙げ、もしル・マンに参戦するのであれば、そのための車両を製作する力があることを示唆した。
SC18アルストン 可能性を示す
「まったく新しいプロジェクトに投資するほどの予算はありません。しかし、SC18アルストンは興味深いアプローチのベースになる可能性を示しています」とドメニカリは言う。「あのクルマは、ランボルギーニの社内にル・マンに参戦するためのハイパーカーを作り上げる能力が既にあることを示しています」
SC18アルストンは、アヴェンタドールをベースにして、公道走行も可能でありながらサーキット走行を最優先にしたクルマとして製作された。磨き抜かれた空力性能は、サーキット走行でこそ、その真価を発揮する。パワートレインはアヴェンタドールSVJから流用したもので、そのV12エンジンは最高出力770ps/8500rpmと最大トルク73.4kg-m/6750rpmを発生するという。
ランボルギーニは以前、自分だけの特別なクルマを求める裕福な顧客の要求に応えるため、さらなる特別注文モデルを製作する可能性をほのめかしていた。そんなカスタマー達を相手にしたビジネスが資金源となれば、同社によるル・マン参戦プロジェクトの現実味は高まってくるだろう。