あおり運転 中国の高速道路で少ないワケ 日本との大きな差 気づいたら違反のケースも
公開 : 2019.08.21 10:29 更新 : 2019.08.21 20:07
日本のあおり運転 ほとんど追い越し車線
日本であおり運転が社会問題化して、多くのひとが関心を持つようになり、トラブルの抑止力がある(と言われている)ドラレコの販売も急速に拡大している。
しかし、そもそもあおり運転がなぜ起こるのか? 暴力事件や死亡事故に至ったその発端は何なのか? これについてはあまり報道されることはない。
筆者が実際に高速道路で見かけた数々のあおり運転発生状況や、ニュースで報道されてきた内容、そして報道機関や警察、交通事故鑑定人の方に取材するなどして、可能な限り調べた結果では、あおり運転の多くは追い越し車線から始まるケースがほとんどだということがわかった。
もちろん、すべてではない。東名夫婦死亡事故のように、直前に入ったサービスエリアで被害者と加害者の間で起こった小さなトラブルに端を発することもある。
あおりの被害に遭いやすいひとは追い越し車線の走り方を知らないのではないか?
これが、重大なあおり事故、事件に発展することもあると、知っておいた方が身のためである。
追い越し車線=走り続けてはいけない車線
本来、追い越し車線は追い越しのためだけに使われる車線だ。追い越しが終わったら安全を確認して速やかに走行車線に戻るのが鉄則なのである。
ちなみに、追い越しが終わって走行車線に移動できる状態にも関わらず、追い越し車線をノロノロとしたスピードで走り続けることは「車両通行帯違反」になり、パトカーに発見されると、青切符を切られる対象になる。
また「わたしは前を見て、制限速度内で運転しているのだから、わたしが道を譲る必要はない」と思って追い越し車線を走り続けるひとは道交法についてきちんと調べた方がいい。
この状況では、以下の3つの道交法に違反をしながら走っていることになる。
・道路交通法第27条:追いつかれた車両の義務違反(後続車が後ろに来たら道を譲って追い越しが終わるまで速度を上げてはならない)
・同20条:通行帯違反(追越車線を走り続けるのはNG)
・同70条:安全運転義務違反(周囲の交通の状況を見ていない=後続車を気にしていないなど)
この行為があおり運転の始まりとなるケースがたいへん多い。
追越車線を走行中、後続車が接近してきたら、まずは道を譲ること。これが自分や家族、親しいひとの命を守ることにつながる。