アルピーヌA110がラリーに復帰 国際レベルの競技車両としてプライベーターに販売
公開 : 2019.09.08 07:50 更新 : 2021.05.13 12:00
世界ラリー選手権初代チャンピオンの名前を受け継ぐ新型ラリーカーが発表されました。FIA R-GTカテゴリの競技車両として、2020年よりプライベーター向けに販売が始まる予定です。
シグナテックが開発を担当
アルピーヌがA110のラリー仕様車を発表した。国際レベルの競技に参戦するプライベーター・チーム向けに開発されたという。
このA110ラリーは、アルピーヌのLMP2レースカー・プログラムにも関わっているシグナテックが開発を担当。サーキット専用車両であるA110GT4やA110カップと同じ軽量アルミニウム製シャシーが使用されている。
量産モデル用をベースとする1.8L直列4気筒ターボ・エンジンは、ラリー向けのチューニングが施され、最高出力は300ps以上に引き上げられている。
2020年シーズンより参戦可能
パフォーマンス面におけるそれ以外の改良は、3段階に調整可能な油圧サスペンション、ブレンボ製ブレーキ、リミテッド・スリップ・ディファレンシャル、そして6速シーケンシャル・ギアボックスの採用など。ステアリングホイールには、テレメタリー用ディスプレイとパドルシフターが装備されている。
競技車両ということで、6点式ハーネスやロールケージ、FIA承認燃料タンクなど、規定に沿った安全装備も追加。アルピーヌによれば、このクルマは国際規格の競技に出場するため、FIA R-GTカテゴリのホモロゲーションを取得する予定だという。カスタマーには来シーズンの競技参戦に間に合うように、2020年初頭より納車が始まることになっている。
初代WRCチャンピオンの血を引く
初代A110はラリーで大成功を収めたマシンだ。1973年に始まった世界ラリー選手権では、開幕戦のモンテカルロをはじめ6戦で優勝し、初代マニュファクチャラー・チャンピオンに輝いた。
アルピーヌのコマーシャル&コンペティション・ディレクターを務めるレジス・フリコテは、次のように述べている。「初代世界ラリー選手権チャンピオンという歴史を持つアルピーヌは、ラリーへの復活が待ち望まれていました」
「この新しい挑戦を成功させるため、われわれはアルピーヌA110ラリーの研究・開発や製造と宣伝を、シグナテックに委託しました。シグナテックはわれわれのパートナーとして、FIA世界耐久選手権で成功を収め、A110カップとGT4のプログラムも手掛けています。アルピーヌA110ラリーも、きっと運転すると非常に素晴らしく、極めて効率に優れたマシンに仕上がっているはずです」
価格は邦貨換算約1800万円から
価格は税・オプション別で15万ユーロ(約1800万円)から。右ハンドル仕様も選べるかどうかは発表されていない。オプションにはデータ取得用ソフトウェアと、アルピーヌ・ブルーのペイントが用意されている。
このニューモデルのデビューと同時期に、アルピーヌは新しいマネージング・ディレクターとしてパトリック・マリノフを迎えた。長年ダイムラーに勤務していたマリノフは、これまでマイバッハのグローバル・ブランド・マネージャーや、メルセデス・ベンツのブランド・アピアランス責任者を務め、最近ではAMGのセールス部門を率いていた人物だ。