ポルシェ911 今後10年以上ガソリン・エンジンの搭載を継続 CEOが明言
公開 : 2019.09.18 16:50
ポルシェ911が完全な電気自動車になることは、少なくとも今後10年以内にはなさそうです。燃費改善と合成燃料の使用によって、ガソリン・エンジンの存続は可能になると、同社CEOが語りました。
ハイブリッド化はハイパフォーマンスのため
アイコニックなポルシェ911は、この先10年以上もガソリン・エンジンを搭載するスポーツカーであり続けると、ポルシェのオリバー・ブルーメCEOが語った。エンジンの改良による燃費改善や合成燃料を使うことで、それが可能になるという。
ブルーメCEOは次のように述べた。「わたしは911が大好きです。そして今後もできる限り、われわれは911にガソリン・エンジンの搭載を続けていくつもりです。それを可能にする鍵は、ガソリン・エンジンの改良を続けて燃費を改善すること。そしてもう1つは、おそらく今後10年以内に普及が進むと思われる合成燃料の使用です」
「今はその初期段階であり、まだ合成燃料は非常に高価です。しかし、10年先を考えれば選択肢の1つになり得るでしょう。それは911に最適です」
これまでAUTOCARで報じているとおり、ポルシェがハイブリッドの911を計画していることも、ブルーメは付け加えた。「既にWECのレースでやってきたように、われわれが考えているのは、ハイブリッド・システムを加えることによって非常にハイパフォーマンスな911を作り上げることです」
エンジン、ハイブリッド、EVは3本の柱
ガソリン・エンジン搭載車は、ポルシェの戦略における3本の柱の1つだ。残りの2つは、ハイブリッドと電気自動車である。
「今後10年から15年先に向けて、われわれは非常に明確な戦略を立てています」と、ブルーメCEOは語る。「われわれはガソリン・エンジンを作り続け、それと同時に既に大きな成功を収めているハイブリッドも作り続けます。われわれは常にハイパフォーマンスなハイブリッドの開発について考え、そして成果を上げてきました。ハイブリッドのパナメーラとカイエンの成功がそれを裏付けていると言えるでしょう」
3本目の柱となる電気自動車については、まず4ドアのタイカンがその先陣を切った。来年はタイカン・クロスツーリスモがこれに加わり、2020年には電気自動車となる次期型マカンも登場する予定だ。
この3本の柱を構える理由について、ブルーメは次のように述べている。
「将来に向けて、われわれは非常に柔軟に対応していくつもりです。なぜなら、世界の様々な地域では、それぞれ異なる開発が必要とされるからです。地域によってインフラの整備状況も、そして人々の求めるクルマも異ります」
「われわれが考えているのは、すべてのセグメント、すなわち2ドア・スポーツカー、SUV、セダンに、ガソリン・エンジン、ハイブリッド、電気自動車という3本の柱をすべて用意することです」
そして同CEOは次のように付け加えた。「今、われわれはその準備を整えつつあります。次にいつ、どのセグメントに電気自動車を投入するか、柔軟に決定することができます」
2025年までにポルシェが販売する全車両の60%が電動化される予定だ。この数字を挙げながら、ブルーメは「2020年代後半には多くのEVを投入する可能性がある」と語った。