強風にあおられたクルマのドア 支えられるのは風速何mまで? 子どもの開閉、親が注意を
公開 : 2019.10.12 17:24 更新 : 2019.10.16 09:41
台風の影響で、強い風が吹いています。不要不急の外出は極力控えるべき。もしクルマを使わざるを得ない場合は、ドアの開閉に注意。特に子どもは風にあおられるドアを支えきれない場合が多いです。親が注意しましょう。
強風、想定外のドアトラブル発生も
台風など強風が吹き荒れるときには、不要不急の外出は極力控えるべき。そうはいっても、急な買い物や家族の送迎でクルマを使うこともあるだろう。
また、出かけるときは平穏だったのに、出かけた先で急に風が強まることもある。地形や建物の配置によって思わぬ強風に遭遇することも珍しくない。
強風下でクルマを使う場合、気を付けるべきはドアの開閉だ。スライドドアなら風であおられることもなさそうだが(風向きによっては開閉がしづらい場合はある)、ヒンジドアでは強風にあおられる。
ドアが支えきれず隣のクルマにぶつかってしまうこともあり、ドアのヒンジがダメージを受けて正しい開閉ができなくなることもありうる。
ドライバー自身は注意しながらドアを開閉することができても、ドア開閉に慣れない子どもやお年寄りの乗り降りには十分な注意が必要だ。
強風でドアがあおられた際、どれくらいの風速までならドアを持って支えることができるのだろうか?
JAFユーザーテストの結果を見てみよう。
子どもがドアを支えきれない風速は
JAFユーザーテストによると、6歳男児も10歳女児も風速20m/sではドアを支えることができなかった。
風速20m/sと言えば、予報用語では「強い風」に相当する。東京湾を横断して千葉県木更津市へ至る高速道路「東京湾アクアライン」の橋部分が通行止めになる風速でもある。
子どもの場合、体重が軽いこともあり、ドアがあおられるのと同時に子ども自身もバランスを崩して、車外に転げ落ちてしまう危険がある。
もちろん、ドアを支えきれず横にクルマが停まっていれば、隣のクルマの側面にドアをぶつけてしまうことにもなる。
また、セダンやコンパクトカーなどヒンジドアのクルマに、ミニバンなどスライドドアのクルマに慣れてしまっている子どもを乗せるときは最大限の注意が必要。
ヒンジドアのクルマに慣れない子どもは、横のクルマとの距離感がつかめないことが多い。このような場合、強風時ではなくてもドア開閉は大人が外から行うのが鉄則である。
スライドドアのクルマでも同様。乗り降りは車道側ではなく歩道側からを徹底しておきたい。
これらの動作は乗せた子どもが高校生や大学生であっても、注意してあげた方が良い。
風速/クルマの種類 傷のつき方かなり違う
風速が速ければ速いほど、風であおられる力が強くなる。となれば、隣のクルマに当たってしまった場合の傷のつき方も変わってくる。
あてられたクルマも、あてた自分のクルマのドアも同様だ。
JAFユーザーテストでは、セダンとコンパクトカーなどクルマの種類によってもダメージの大きさが変わることがわかっている。
セダンのドアがコンパクトカーにぶつかった時の方が、コンパクトカーのドアがセダンにぶつかった時よりもキズは大きくなり与えるダメージが大きい。
ドアの重さや形状、どの位置にぶつかるかによって相手車の傷にも大きな違いが出てくる。ダメージが大きくなればその分、修理代も高額になってしまうのだ。
なお、ドアをぶつけた相手のクルマを修理するとなれば対物保険が関わってくる。ここで怖いのは片側だけではなく、両側のクルマに強風であおられた後部ドアを左右それぞれほぼ同時にぶつけてしまったようなケースだ。
A車、B車、C車と3台のクルマが停まっていて、B車の後席左右のドアから1人ずつ降りようとしたとしよう。
同時に強風にあおられてドアを支えきれず、A車とC車に、B車の左右のドアをぶつけてしまったという状況である。
強風下ではこんなことも起こりうる。保険適用はどうなるのだろう?