ハイレゾ対応ビッグX アルパインの大画面カーナビ 東京モーターショー2019

公開 : 2019.11.02 07:20  更新 : 2024.01.11 13:19

アルプスアルパインが、東京モーターショーに「ビッグX」のハイレゾ対応試作機を展示しています。体験コーナーで視聴をしてきました。

ハイレゾ化プロトタイプ

text:Hajime Aida(会田肇)
photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

東京モーターショー2019の西館4階では、カーオーディオメーカーの出展も見逃せない。

今年1月1日にアルプス電気とアルパインが経営統合して誕生した「アルプスアルパイン」。注目したいのは、やはりアルパインの大画面カーナビ“ビッグX”を核としたサウンドシステムだ。

東京モーターショーに展示されている「ビッグX」のハイレゾ対応プロトタイプ。
東京モーターショーに展示されている「ビッグX」のハイレゾ対応プロトタイプ。

“ビッグX”と言えば、車種専用キットを組み合わせることで車内に大画面カーナビの世界をもたらすことで知られる。その“ビッグX”が東京モーターショーの同社ブースにおいて、ハイレゾにも対応したプロトタイプとして出展されたのだ。

ハイレゾ化に際して実装されたのが最新技術を注いだとされるパワーICであり、不純物ゼロの真空蒸着フィルムコンデンサーだ。

これらはサウンドの質を高めるうえで欠かせないパーツで、開発にあたってはこのパーツをどう選択するかにかかっていたという。多くの場合、汎用のパーツから最適なものを選ぶからだ。

しかし、開発者によれば汎用品ではなかなか意図したサウンドにたどり着かない。そこでアルプスアルパインでは専用品としてパーツメーカーに依頼。これにより理想的なサウンドを導き出すことに成功したという。

残響か ノイズか

ノイズに対しても徹底的に低減することを目指した。

音楽の再生で感動を生むには楽器から奏でる余韻、あるいは残響成分をどこまで忠実に再現できるかにかかっている。

アルプスアルパイン・ブースのプレミアム・サウンド・コーナー。
アルプスアルパイン・ブースのプレミアム・サウンド・コーナー。

再生帯域が広く音の解像度が高いハイレゾならその対応力も十分だ。
しかし、やっかいなのは、この時にノイズ成分まで拾いやすくなってしまうこと。

そこで重要となってくるのがノイズキャンセル技術だ。アルプスアルパインは可聴帯域を超えるレベルまで残響を残しつつ、耳障りなノイズを徹底して除去する回路技術を投入。これが新たな音の感動を生み出すことにつながるというわけだ。

こうした生み出されたビッグX、その実力を知りたいところだが、残念ながら現段階では詳細なスペックは明らかにされていない。ただ、デモとして再生された音はアルパインらしい力強さがあり迫力もたっぷり。

リフトアップ3ウェイスピーカー

組み合わせた車種専用(ランドクルーザー用)の「リフトアップ3ウェイスピーカー」によるところも大きいとは思うが、その実力の高さは大いに期待できるものとなっていたのは確かだ。

ところでこのリフトアップ3ウェイスピーカー、イグニッションスイッチと連動してトップカバーとツィーターが自動で昇降する独自機構を採用し、高品質サウンドとインテリアの両面で高いインパクトをもたらす画期的なスピーカーシステム。

イグニッションONで、リフトアップしてくるスピーカー。
イグニッションONで、リフトアップしてくるスピーカー。

何よりも見逃せないのは、本来なら指向性が高い高音域をこのトップカバーで拡散できること。これによって車内の隅々まで拡がりのあるサウンドを楽しむことができるのだ。

さらにトップカバーはスピン調にデザインされ、ディマー連動のブルーLEDと相まってハイグレード間を演出。とくにナイトクルージングで柔らかく見せるその姿には思わずうっとりしてしまう。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事