レクサス初の量産EV「UX 300e」 次世代電動車向け四駆システム「eアクスル」採用 試乗
公開 : 2019.11.22 12:43 更新 : 2021.10.09 23:53
レクサスが、同社の量産車初のEV「UX 300e」を発表しました。次世代四輪ハイブリッドシステム「eアクスル」採用しています。中国のマーケット向きのモデルですが、既存のC-HR EVとは異なるアプローチです。
レクサス「UX 300e」、中国市場が最優先
レクサスインターナショナルは11月22日、中国広州モーターショーの報道陣向け公開日でレクサス初となるEV(電気自動車)の「UX 300e」を世界初公開した。
UX 300eは出力150kw、最大トルク300Nmのモーター1基による前輪駆動(FF)車。駆動用電池は、パナソニック製で電池パックの電量容量は54.3kwhとした。満充電での航続距離は400kmという。
UXはレクサスのSUVラインナップの中で、LX/RX/NXに次ぐエントリーモデルに位置付けられる。これまでにUX200とハイブリッド車のUX250hが2018年後半から世界各地で導入されている。
そうした中で今回、日米欧に先駆けて中国でUX 300eを公開した理由は、2019年から施行されている新エネルギー車(NEV)規制への対応だ。
NEV規制では、中国で自動車を製造販売するメーカーに対して、目標となる環境対応のクレジットを定めており、これは事実上のEVや燃料電池車の販売台数規制になっている。
トヨタ・ブランドとしては2019年4月の上海モーターショーで、C-HR EVを世界初公開している。このC-HRとレクサスUXは、トヨタ次世代プラットフォームのTNGAで中型車向けのGA-Cで共通化している。
NEV規制対応でC-HR EVの販売を伸ばすことで、UX 300eで使用する車体や部品の量産効果を狙った。
ただし、トヨタのEVとレクサスのEVでは、商品性に違いがある。
走り重視のUX 300e、C-HR EVと差別化
中国以外では、カリフォルニア州でのゼロエミッションヴィークル(ZEV)規制や欧州でのCO2規制にC-HR EVとUX 300eが対応する。
そのうえで、中国NEVと米ZEVでは、トヨタ・ブランドのみでも十分に目標値を達成することは可能だと見られる。
そのため、レクサスブランドの電動車は走りを重視した攻めの姿勢に転じることができるのだ。
具体的なラインナップとしては、UX 300eの他にeアクスルがある。
eアクスルは、FF(前輪駆動車)のハイブリッド車の後輪を別のモーターで駆動させる四輪駆動システムだ。
トヨタとレクサスの電動四輪駆動といえば、すでに販売されるE-FOURがあるが、これは雪道などでの使用を主な目的とする、いわゆる生活四駆だ。
対するeアクスルでは、後輪駆動用のモーター出力が80-100kwと強力なのが特長。eアクスルは中国NEVや米ZEVへの燃費対応を優先することなく、走りを最優先したレクサスらしい走り味が可能となった。
では、UX 300eやeアクスルの乗り味はどうなのか?
ひと足早く、試乗してみた。