スタッドレスタイヤ、慣らし必要? そもそもタイヤの慣らしとは 冬特有の事情も
公開 : 2019.11.24 06:00 更新 : 2021.10.13 13:58
スタッドレスタイヤの季節になりました。一般的に言われているタイヤの慣らし運転は結論からいうと必要です。そもそも慣らしとは? また慣らしが必要な3つの理由をお伝えします。スタッドレス特有の事情も。
タイヤの慣らし そもそも何?
どんなにクルマが高性能化しようとも、車両と路面を繋いでいるのはタイヤという事実は変わっていない。
そのため、ハイパフォーマンスなモデルでも、最新の先進安全装備を持ったモデルでも、健全なタイヤを装着していなければその真価を発揮するのは難しい。
そういった点ではタイヤが担う役割は昔よりも増えているのかもしれない。
そんなクルマを支えるタイヤを新品に交換したときに、ぜひやってもらいたいのが慣らし運転だ。
これは、急発進や急ブレーキ、急ハンドルといった急の付く操作を控えながら、80km/hくらいを上限に100kmほど走行するというのが一般的となっている(メーカーや銘柄によって上限速度や距離は前後するが)。
これによって、タイヤ本来の性能を発揮できる状態になると言われており、これをやる/やらないではタイヤの寿命にも差が出てくるといわれているほどなのである。
それではこれから交換する人も増えてくるであろう、スタッドレスタイヤでも慣らし運転は必要なのだろうか?
その答えは「イエス」
なぜタイヤの慣らしが必要なのか。そしてスタッドレスタイヤならではの慣らしの必要性の理由は? 以下で説明する。
タイヤの慣らし 3つの理由
タイヤの慣らしと一言でいっても、その理由は実はひとつではない。さまざまな理由のひとつが、タイヤ表面に塗られている薬剤を落とすということだ。
新品タイヤの表面には、製造工程で型抜きをしやすくするために使用された離型剤などの薬品が残っている。その薬剤の膜を取り除くために慣らしが必要というわけだ。
はく離剤というくらいだから、それが残っている状態では本来のグリップ力を発揮することができないため、急な操作や高速度がNGとされている。
次の慣らしの理由はホイールと馴染ませるということ。タイヤはホイールに組み込んで使用するものだが、タイヤがホイールのリム(淵)と接地する部分はビードと呼ばれており、ビードワイヤー(鋼線)を束ね、ゴムで被覆したものがリング状に備わっている。
この部分がしっかり馴染む前に激しい運転をすると、タイヤとホイールがずれてエア漏れの原因となったり、最悪の場合はタイヤがホイールから外れたりしてしまう可能性もあるのだ。
そして最後の理由が、タイヤに含まれている化学薬品や油分などをタイヤ全体に馴染ませ安定させるという理由だ。
タイヤはゴムが主成分となるが、それ以外に性能や耐久性などを上げるために多くの化学薬品や油分などが含まれている。
それらをタイヤ全体に行きわたらせ馴染ませる必要があり、それに最適なのが慣らし運転でじっくり熱を入れるということなのである。