シトロエン誕生から1世紀 英国編集部の記憶に残るシトロエン 12選 後編

公開 : 2019.12.01 16:50  更新 : 2021.03.05 21:43

今から100年前に誕生し、大胆なビジネス展開でフランスの自動車業界に影響を与えたシトロエン。英国編集部のスタッフにとっても、いつもシトロエンは気になる存在です。実際に乗るならどんなクルマが良いか、選んでみました。

シトロエンBX 4TC

text:Jon Pressnell(ジョン・プレスネル)
photo:Citroen Communication(シトロエン・コミュニケーション)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 

リジー・ポープ

公道の走行可能なグループBカーで、人気が今ひとつなモデルは? 

シトロエンBX 4TC
シトロエンBX 4TC

ホモロゲーション獲得のために製造された200台のうち半分以上が売れ残り、WRCでのキャリアは短く、目立った成功もなかったシトロエンBX 4TC。しかしその希少性と個性から、最近は注目が高まっている。

縦置きされたターボエンジンを長いフロントノーズに搭載。フロントヘビーな前後重量配分は、競争力のなさを裏付けている。

だが今はそんなことは誰も気にしない。フロントグリルに仕込まれた4灯のフォグランプが、むしろ美しさを高めているだけだ。

シトロエンAX GT

ジャック・フィリップス

間違いなく魅力的なのに、シトロエンAX GTは、1980年代から1990年代にかけてフランスで誕生したホットハッチの中でも、最も人気の薄いモデルだといえる。

車重はわずか722kgで、86psのエンジンでも充分に引っ張れた。プジョー205ラリーより、若者1人分以上軽量だ。この車重のおかげで、費用がかかるクラッシュから逃れることができたが、殆どのクルマはすでに残っていない。

シトロエンAX GT
シトロエンAX GT

10psが上乗せとなるスポーツは更に少ない。それでもAX GTはまだ手の届く範囲にあるから、欲しいクルマリストの候補に上げておこう。普通のホットハッチではないけれど、注目に値するモデルだ。

シトロエン2CV

マーティン・ポート

わたしを知る人物なら、お気に入りのシトロエンが2CVだと聞いて、驚くかもしれない。1948年に発売され、車輪の上に載せられたブリキ缶のようなボディ。主に農夫がターゲットだったようなクルマ。どちらかといえば、英国車も似たようなものだったが。

多感なティーンネイジャーだった時に聞いた、独創的なほどシンプルな2CVを数分でばらしたという友人家族の話は、とても心に響いた。初めてのクラシックカーを選ぶ際、シトロエン2CVかモーリス・マイナーの2択にするきっかけともなった。

シトロエン2CV
シトロエン2CV

結果として選んだのはモーリス・マイナー。だが今でも、初期のプレスラインの入ったボンネットを持つ、9psエンジンの2CVは欲しいと思っている。緊縮経済に見事に合致し、必要とされる場所で高い支持を得た。

細いホイールに、独立サスペンションが組み合わされ、どんな地形でも走ることを許した。耕された畑を、バスケットに卵を積んでも割らずに走れた話は有名だ。

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