【奥深きミニカーの世界】手に入れるべきは好きなモデル 値上がり、期待は禁物
公開 : 2019.12.07 06:00 更新 : 2022.09.26 14:35
クルマ好きであれば子供時代に少なくとも一度くらいはミニカーで遊んだ記憶があるのではないでしょうか。今回は奥深きミニカーの世界をご紹介します。価格の高騰が期待できるものも存在しますが、専門家は好きなモデルを収集すべきとアドバイスします。
もくじ
ー子供時代の思い出
ーNo.267 バットモービル
ージェームス・ボンドのDB5
ーお気に入りはコーギー
ー理由はノスタルジー 投資には反対
ーポップアップ式ルーフの秘密
ー番外編:それぞれのお宝モデル トップ5
子供時代の思い出
サイモンは間違いない。グレッグもそうだが、まだ若いカメラマンのマックスはどうだろう?
いま話題にしているのは、コーギーやディンキー、マッチボックスといったメーカーが作り出したダイキャスト製ミニカーが引き起こすノスタルジーについてだ。
今年54歳になるサイモン・ハーレーがハリファックスで経営するコレクターズ・オールド・トイショップでこうしたミニカーに囲まれていると、この店に27年間通い続けているという62歳の常連でありコレクターのグレッグ・ブルックもやって来た。
「これも持っていたし、あれも、そしてこれも持っていました」と、何段にも積み重ねられた精巧なミニカーで一杯の棚やショーケースを見て、今年59歳のわたしは思わず大声になってしまう。
もっとも価値のあるミニカーの多くが、箱入りの状態で保存されている。ある一定の年齢であれば、わたしと同じように叫ばずにはいられないだろう。
この店でこうしたミニカーを目にするだけで、カーペットのうえで夢中になって遊んでいた子供時代にタイムスリップしてしまうひともいるに違いない。
だが、ある日を境に子供たちはミニやゼファー/ゾディアック、消防車には目もくれなくなり、こうしたミニカーはそのまま屋根裏に仕舞い込まれるか、あるいはバザーで売りに出され、2度と彼らを夢中にさせることはなかったのだ。
No.267 バットモービル
ハーレーが数百台もストックしているのは、こうして見向きもされなくなった子供時代の思い出であり、店の裏に置かれたカゴに溢れかえる1ポンド(141円)から購入可能なこうしたミニカーたちは、子供たちだけでなくスペアパーツを探し求めるベテランのコレクターたちにも人気となっている。
一方、そうしたモデルとは対照的に、ハーレーの店にあるなかでもっとも高価な商品がコーギー社製No.267 バットモービルだ。
まるで新品同様のコンディションを保ったまま、オリジナルの箱に入ったこのモデルの価格は500ポンド(7万1000円)にも達する。
世にバットモービルのミニカーは溢れているが、ハーレーが所有するのは1966年に売り出されたブラック・ファースト・イシューというモデルだ。
人気のコレクターズアイテムの価格情報を掲載しているCollect-a-Toyというサイトで検索すると、箱入りでA+のコンディションを維持している同じモデルの価格は538ポンド(7万6000円)とされているのだから、彼の500ポンドという価格設定は魅力的と言えるだろう。
同じサイトで6台のバットモービルを見つけることが出来たが、そのうちもっとも高価だったのは「初期の箱に入った赤いホイール付き」という説明が付いた1973年製モデルの948ポンド(13万4000円)であり、もっとも安価だったのは1974年製のバットモービル・ブラックの245ポンド(3万4600円)だった。