【驚きの成長戦略】フィアット・クライスラー(FCA)ジャパン、2019年は好成績 2020年も攻めの姿勢
公開 : 2020.01.16 18:50 更新 : 2021.10.09 23:55
2019年、日本での輸入車市場は消費税アップなどの影響もあり、前年比マイナス3%と需要が減少傾向に。一方、FCAジャパンは2018年が前年比プラス5%、2019年が前年比プラス10%と好調。理由と戦略を探りました。
輸入車市場伸び悩みに反する成長
FCA(フィアット・クライスラー・オートモビルズ)ジャパンが着実に業績を伸ばしている。その背景にはいったい何があるのか……。
2019年、日本での輸入車市場は消費税アップなどの影響もあり、前年比マイナス3%と需要が減少傾向に触れた。
ブランド別で見ると、シェアトップのメルセデス・ベンツを筆頭に、フォルクスワーゲン、BMW、アウディ、MINIなどのメジャーブランドが軒並み前年比割れとなった。
一方、FCA、ボルボ、PSA(プジョー・シトロエン)など商品特性が強いブランドが前年比でプラスに転じている。
なかでも、FCAジャパンは2018年が前年比プラス5%、2019年が前年比プラス10%と好調な業績が目立つ。
販売実数では、2019年は2万4666台となり、10年前の2009年と比較すると3倍となる大きな伸びだ。
日本での事業での実情と、2020年の事業戦略ついてFCAジャパン代表取締役社長のポンタス・へグストロム氏が新春記者懇親会の席で詳しく説明。
「2020年見通しとして、45の限定車を発売する」という発言まで飛び出した。
なぜ、そこまで強気の方針を打ち出すことができるのか?
ジープ躍進が大きな要因 ラングラー人気
FCAジャパン業績好調で最も大きな要因は、ジープブランドの伸びである。
日本輸入車組合の調べでは、2019年の販売総数は1万3360台となり過去最高となった。
モデル別ではやはり、ラングラーの人気が目立つ。2019年は4873台とこちらも過去最高を記録した。
ジープの本国アメリカでは、2018年モデル(2018年夏発売)として11年ぶりのフルモデルチェンジで第4世代へと進化したラングラー。
第3世代のモデル末期でもアメリカでの販売は安定していたが、走りの質感はもとより、インテリアに上質さと先進性が加わったこともあり、第4世代はアメリカで好調に販売数を伸ばしている。
こうしたトレンドを受けて、日本向けは2018年10月から、スポーツ/アンリミテッドスポーツ/アンリミテッドサハラ/アンリミテッドルビコンが相次いで導入され、2019年に入ってから本格的なデリバリーが始まったことが、日本でもジープ全体の販売を押し上げた。
SUVについては、グランドチェロキーの販売が安定して伸びている。
フルサイズSUV分野でみると、競合であるメルセデス・ベンツGLE、BMW X5、ボルボXC90、そしてポルシェ・カイエンを抑えて、販売台数トップの1743台を記録した。