【振り返る】東京オートサロン、いかにして東京モーターショーを凌駕するイベントになったのか
公開 : 2020.01.17 10:50 更新 : 2020.01.18 11:50
1日あたりの平均来場者数は、東京オートサロンが11万2020人、東京モーターショーが10万8408人。前者のほうが多いです。いかにして東京オートサロンが成長してきたのか。発起人にも話を聞きながら考察します。
モーターショー130万人 1日あたりの数はオートサロンが多く
1月12日に幕を閉じた今年のオートサロンには3日間で33万6060人が来場した。昨年の33万666人に比べて1.3%の増加だ。
印象としては10日金曜日9〜14時のプレス(&関係者)デーにもかなりの人がいて、なぜこんなに多いの? と思った次第。
全体を通してみると、外国人来場者、外国人プレスの中でとくに欧米の来場者が大変増えたと思う。
正確な統計データがあるわけではないが、少なくとも確実にモーターショーよりは多かったであろう。
第47回東京モーターショー(2019年10月24日~11月6日)の来場者数はどうだったか?
こちらは12日間で130万人という結果を残したという。100万人超えが目標だったそうだから、+30万人で万々歳! かもしれない。
しかし、1日あたりの平均来場者数は……
東京オートサロン 11万2020人
東京モーターショー 10万8408人
残念ながら今回もオートサロンを超えることはできなかった。しかも、「130万人」にはかなり多くの無料来場者も含まれている。
東京オートサロンは「OPTION」誌初代編集長稲田大二郎氏が発起人となって1983年に東京エキサイティングカーショーとして第1回が開催、以降毎年1月上旬に開催されている。
「正月休みが終わった直後、この時期しか会場が開いていなかった」(稲田氏)とのことだが、30年以上、年明けの自動車イベントとして定着している。
オートサロン、1983年に第1回を開催
第1回時の来場者数は3日間でいきなり10万人超。
会場は当時モーターショーが開催されていたのと同じ東京・晴海の東京国際見本市会場で最初は東館(ドーム館)1館のみを使用していたが、年々規模が拡大し第10回からは晴海の全展示館が使用されこととなった。
1983年第1回にはこんなクルマたちが出展された。
セリカXXツインターボ(フォルテックス販売)
カスタムボディーキットを装着した角4灯。ツインターボで300ps近いパワーを発揮。
1G-GセリカXXトリプルターボ(TRUST)
「83年をリードする驚異のターボメカ」
ちなみに、今では想像もつかないだろうが、80年代前半と言えば合法チューニングなど皆無と言ってもいい時代。
マフラー交換はもちろん、タイヤやホイールのサイズアップすら許されなかった。
当時は扁平率70のタイヤでさえ「スポーツタイヤ」と呼ばれており、それ以下の扁平タイヤは運輸省(当時)の認可が下りなかった。
待望の60タイヤ認可はオートサロン第1回が開催された1983年。5年後の1988年には50、55の扁平タイヤが認可されている。
こうしてチューニング&カスタムへの規制緩和が緩やかに進む中、オートサロンの開催規模、来場者数は順調に伸びていった。