【売れたF1、流札したF1】フェラーリ強し、BH東京テラダ・ジャニュアリー・オークション解説(前編)
公開 : 2020.01.21 07:10 更新 : 2021.10.11 09:29
BHの「東京テラダ・オークション」が開催。F1マシン、スーパーカー、国産旧車が26台も用意されました。前編ではF1とフェラーリを中心に解説します。
F1マシン 入札結果は?
東京オートサロン2020での「スーパーGTオークション」を盛況のうちに終えたBH。その2日後には、コレクターズカーを中心とした「東京テラダ・オークション」を、東京都・天王洲アイルにあるテラダTアートホールで開催した。
主役となったのは2台のF1マシン。1台はスクーデリア・フェラーリが1987年シーズン用に製作したF187で、復活した日本グランプリで優勝を果たしたことから日本のファンにもおなじみのタイプだ。
フェラーリF187は1億円からスタートすると熱い入札が続き、ドンドン金額が上昇。最終的に1億8920万円(本記事では手数料を含む金額で表記)で決着がついた。
フェラーリのF1マシンはオークションにはあまり出てこないため、世界的に見れば安く落札されたといえる。
ツインシャシー 流札
もう1台のF1マシンは、名門ロータスが1981年シーズンに向けて理想的な空力特性を実現するために製作した革新的なツイン・シャシーを備えるロータス88B。
しかし当時の常識を覆す突飛な構造だけにFIAの公認が得られず、実戦には参加できなかった。
モータースポーツ・ファンにとってもロータス88Bはかなりカルトなマシンとあって、このタイプを欲しがる人は世界的に見ても僅かなこともあり、今回の東京テラダ・オークションでは流れてしまった。
フェラーリ 残りの5車両は?
今回フェラーリはF1からクラシケモデルの250 GTEまでの6台が用意された。その中で人気を集めたのが250 GTE 2+2だった。
250 GTOや250 GT SWBはとてつもない値がつく中で、250 GTE 2+2はまだ現実的といえる額で買えることから欧米では人気を集めている。日本にはほとんど現存しないことから注目していたが、意外や熱い入札が続き海外と変わらぬ4510万円で落札されている。
このほか注目されていたF40はオリジナル度が低いためか流れてしまったが、512 BBiは2420万円、テスタロッサは1221万円と順当な額で落札されている。
308 GTBはコンディションが良かったのだがシルバーのボディカラーが足を引っ張ったようで流札に終わっている。
結果は人気に比例
BHオークションでの定番メイクスといえるポルシェは356 SCからカレラGTまでの5台を用意。
このうち356 SCが1309万円と高値で落札され、ポルシェ911 RSクラブスポーツ(M003/N-GT)は2475万円、カレラGTが5500万円とお値頃で終えている。
一方で4気筒の912はその良さを理解できる方がいなかったのか流札してしまった。
フェラーリやポルシェ以外で評価が確立されていないモデル、BMW M3シュポルト・エボリューションやルノー5ターボ2マキシも出品されたが、どちらもそのレア度と現在の相場が来場者に理解されなかったようで共に流れてしまった。
後編では日本車の旧車、そしてスーパーカーのパーツ・オークションの結果を分析する。